コロナ禍で急増!?男性更年期障害の予防にビタミンD

2021/04/05 免疫力向上

男の底力2021年4月5日 (1)

中高年男性を悩ませる症状のひとつに「男性更年期(LОH症候群)」がある。男性ホルモンの減少によるホルモンバランスの崩れが原因だが、その改善にビタミンDが役立つことはあまり知られていない。東京都渋谷区にある満尾クリニック院長の満尾正医師に、その仕組みを話してもらった。


男性ホルモンの中でも中心的な役割を担うのは「テストステロン」という物質です。このテストステロンとビタミンDの関係を研究した論文は数多くあります。

それらの論文によると、ビタミンDの血中濃度が「30」(単位はナノグラム/ミリリットル。以下同)以下の男性では、ビタミンDの濃度とテストステロンの量に相関性が見られました。つまり、ビタミンDの血中濃度が低い人は男性ホルモンの量も少なく、LОH症候群のリスクが高くなることが示唆されたのです。

ならばビタミンDを多く取ればテストステロンも高まるのかと言えば、そうでもありません。ビタミンDの血中濃度が30あたりを超えると、テストステロンの値に変化が見られなくなるのです。

したがって、LОH症候群とビタミンDの関係としては、最低でも血中濃度30を下回らないようにする、理想を言えば40に近づくようにコントロールするべきでしょう。

ちなみに日本人男性のビタミンDの平均血中濃度は「24」なので、かなり意識して摂取する必要があります。

ここで合わせて「男性不妊」にも触れましょう。実は精液に含まれる男性ホルモンの量と、血中のビタミンDの量の関係を調べた研究があります。ここでも双方に正の相関が見られています。

ビタミンDのレセプター(受容体)は精巣や精子の頭部にもあり、精子の機能にもビタミンDが関与していることがわかってきました。ビタミンD不足が男性不妊の原因の一つ、とする説もあり、今後の研究が注目されます。

男性ホルモンの量は年齢とともに低下していきます。そのため、高齢になるほどビタミンDを摂取してLOH症候群を予防する必要があるのです。

では、LОH症候群を防ぎ、男性ホルモンを高めるには、とりあえずビタミンDを取っておけばいいのかというと、それだけではありません。

ビタミンDを摂取することは重要ですが、一方で多くの人が持っている「誤った常識」を捨て去る必要があります。その常識とはコレステロールに対する認識です。

コレステロールを悪の権化のように考えている人は少なくありませんが、まずその認識を改めてください。

コレステロールには以下の重要な5つの役割があります。

 ・細胞膜を作る

 ・神経細胞を作る

 ・ホルモンを作る

 ・ビタミンDを作る

 ・胆汁を作る

男性ホルモンの原料はDHEAという物質で、これはコレステロールがないと作れません。やみくもにコレステロールを減らすことは、男性ホルモンの産生を抑制し、結果としてLОH症候群の温床を作り出すことになるのです。

この連載をきっかけにビタミンDの大切さに気付いていただけたなら、ぜひもう一つ、コレステロールの重要性についても正しい理解をしてほしいと思います。

男性更年期を克服するにはビタミンDとコレステロールが不可欠だ、ということは、ぜひ覚えておいてください。

(構成・中井広二)


【満尾正医師】 1982年、北海道大学医学部卒業。杏林大学救急医学講師、米ハーバード大学外科栄養代謝教室研究員、救急振興財団教授を経て、2002年、キレーション治療を中心とした抗加齢医療専門クリニック「満尾クリニック」を開業し院長。日本抗加齢医学会認定医。米国抗加齢医学会認定医。医学博士。最新刊に「医者が教える『最高の栄養』」(KADOKAWA刊)。

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