テストステロン(男性ホルモン)の働きと役割とは

2021/02/24 男性更年期障害

テストステロン(男性ホルモン)の働きと役割とは

主要な男性ホルモンの一つとして知られる、テストステロン。その働きや役割は、体作りから精神的なものまで多岐にわたります。しかし、その実態や特徴についてはあまり知られていません。

この記事では、テストステロンがどういう役割を果たしていて、分泌が減少するとどうなるのか、それによって引き起こされる諸症状にはどんなものがあるのかについて解説していきます。

テストステロンの働きと役割

テストステロンは、複数種類ある男性ホルモンの中で、もっとも分泌量の多いホルモンです。血液を利用して体内を巡ることで、全身のさまざまな機能に深く関係しています。テストステロンにはどんな役割や特徴があり、男性の心身にどのような影響を及ぼしているのか見てみましょう。

テストステロンは、たくましい体作りに役立つ!

テストステロンはいわゆる「男らしく、たくましい体」を作るのに重要なホルモンです。それはこのホルモンが

  • 骨や筋肉の形成
  • 体脂肪の減少
  • 体毛の発毛
  • 性機能

などに関係するためです。思春期における第二次性徴の変化も、テストステロンの分泌が始まったことが大きく影響しています。

そもそも、なぜ男性ホルモンが骨や筋肉にまで影響するのでしょうか。それは、テストステロンには骨や筋肉の形成に重要な「骨芽細胞」を活性化させる働きがあるためです。テストステロンの分泌が多いほど骨密度が高く、しっかりとした体ができます。

海外では、男性骨粗しょう症患者に対する血中のテストステロン値の測定を推奨する論文もあるほどで、骨密度に関するホルモンの一つとも言われています。健康的で男性的な特徴のある体作り、しっかりとした筋肉・骨格形成には欠かせないホルモンなのです。

テストステロンは、集中力・記憶力向上・メンタルの安定に役立つ!

脳にある組織で、記憶力に関係するとされる「海馬」をご存じでしょうか。

この海馬にテストステロンが供給されることで、不安感の減少、集中力・記憶力の向上などの効果が出ることが知られています。対して、海馬へのテストステロンの供給量が減少することでどういう症状が出るのかと言うと、

  • 抑うつ症状が出る
  • 神経質になる
  • 集中力が低下する
  • 感情コントロールが難しくなる

などが報告されています。男性の更年期障害とも言われる加齢男性性腺機能低下症候群は、テストステロンの分泌量が減ったために起こる症状です。

若々しくやる気に満ちた、健全な精神状態の維持にも欠かせないホルモンと言えます。

テストステロンは、生活習慣病のリスクを下げる!

テストステロンの分泌は、全身に影響を及ぼします。テストステロンには血管を強くする作用もあり、腎臓に供給されると造血を促します。

そのため、テストステロンの分泌量が低下することで血管機能の低下が起き、

  • 動脈硬化(生活習慣病)
  • 循環器疾患の発症

といったリスクが高まってしまいます。また、テストステロンの分泌量が減少することで、前述した「体脂肪の減少を促進する」という効果も少なくなります。

体脂肪が燃焼しにくくなることで、

  • 肥満
  • 糖尿病

といったリスクが高まることも。

そのため、テストステロンが十分に分泌されていれば、生活習慣病のリスクを軽減できるというメリットもあります。

テストステロンは免疫力を高める!

テストステロンには、睡眠を深くする効果もあると言われています。逆に、テストステロンが少なくなってしまうと睡眠が浅くなり、疲れが取れないことで免疫力を弱めてしまう怖れがあります。
例えば、

  • 睡眠時間が7時間以下の人は8時間以上眠る人と比較して3倍以上も風邪をひきやすい
  • 夜中にどうしても目が覚めてしまう人は、ぐっすり眠る人と比べて約5倍も風邪をひきやすい

と言われているように、睡眠と免疫には密接な関係があります。テストステロンの分泌が十分であればしっかり眠ることができ、疲労感が取れ、免疫機能も向上が期待できます。

テストステロンは、間接的に免疫力の向上に役立つホルモンとも言えます。

テストステロンは、心身の健康に大切な男性ホルモン

これまで見てきたように、テストステロンは血管・臓器機能・骨・筋肉・性機能・免疫機能と、多岐にわたる身体機能の維持に関わりがあります。

テストステロンはほとんどが睾丸で分泌されるため、性機能改善のイメージも強いですが、心身の健康を保って病気を予防するうえで非常に重要な存在なのです。

テストステロンが少なくなると、どういう影響があるのか?

テストステロンが少なくなると、どういう影響があるのか?

心身に良い影響を及ぼすテストステロンですが、その分泌は加齢とともに減少してしまいます。テストステロンが減ると、どういった影響が出るのでしょうか。ここでは精神面、身体面、性機能面それぞれから見ていきます。

精神的に不安定になる

テストステロンの分泌量が減少することで、脳にある海馬への供給も減少します。そうなると、精神的に不安定になる傾向が見られるようになります。

それは、男性ホルモンには脳内で「ドーパミン」と呼ばれる幸福物質を分泌させてくれる働きがあることと関係します。ドーパミンの量が少なくなると例えば、やる気や元気が出にくくなります。「不安感が増す」「集中力が散漫になる」「記憶力が低下する」といった、精神面における症状が見られるようになるのです。

テストステロンは、精神的に満たされ元気な日々を送る上で重要な男性ホルモンです。

身体が弱くなる

テストステロンには骨や筋肉を形成する骨芽細胞を活性化する作用があり、骨を強くしてくれる働きがあります。その分泌量が減ると、骨を分解する破骨細胞の働きはそのままなのに対し、修復する骨芽細胞の働きが落ちるので、どんどん骨が弱くなってしまいます

その他にも、テストステロンは血管や臓器の健康維持に役立っています。テストステロンが減少することで、総合的に身体が弱くなってしまう可能性があります。

性機能が低下する

テストステロンは性ホルモンとも言い、性機能に影響を及ぼすホルモンでもあります。ほとんどが睾丸で分泌されていることからも、そのイメージは強いでしょう。

実際、テストステロンの減少により性機能が低下することは、実験でも明らかになっています。生後21日以内の雄マウスの性ホルモンを阻害する実験をしたところ、成体期の性行動や攻撃行動が著しく低下したとの研究結果が出ているのです。このことから、テストステロンは男性としての社会行動の基盤となる神経の構築に欠かせない、との結論が出ました。

テストステロンの異常により引き起こされる症状

テストステロンの異常により引き起こされる症状

テストステロンの分泌により引き起こされる症状として、主に男性版の更年期と呼ばれる「加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群」があります。また、テストステロンが間接的に関わるものには薄毛(AGA)もあります。ここではこの2つの症状について見ていきましょう。

加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群

加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群とは、いわゆる男性版の更年期障害とも言える症状です。症状は主に

  • 神経症症状群(神経質になる、浅眠など)
  • 抑うつ症状群(無気力、食欲不振など)
  • 身体症状(骨・筋肉・関節関連症状、記憶・集中力の低下など)
  • 性機能関連症状(性欲低下、勃起障害など)

といったものが挙げられます。症状は、性機能以外は女性の更年期障害とほぼ変わりません。自律神経失調を含めた、さまざまな症状が確認されています。

LOH症候群は、血中の男性ホルモンの数値を測定して診断が行われます。テストステロンの中でも、フリーテストステロンというホルモンは加齢により直線的に減少、若年成人平均の50%まで下がるという特徴があることから、学会においてLOH症候群の診断基準として設定されています。

テストステロンの影響を直接、大きく受けて引き起こされる症状群です。

薄毛、AGA

上記のLOH症候群とは異なり、テストステロンが間接的に関わってしまうものもあります。それがAGAと呼ばれる男性型脱毛症です。

テストステロンが頭部に存在するリダクターゼによって「ジヒドロテストステロン」というホルモンに変化し、AGAの発症に関係するようになります。ジヒドロテストステロンは、毛髪のもとになる毛母細胞の活動を低下させ、薄毛を進行させてしまうのです。これは1942年に行われた、去勢された男性の頭髪を観察する実験により再確認がされています。

しかし薄毛やAGAは、あくまでもテストステロンではなく「ジヒドロテストステロン」が原因となります。男性ホルモンが多いほど薄毛になるというわけではありません。

まとめ

テストステロンは、全身の健康維持や精神的な安定感を保つのに役立っているホルモンです。その分泌が減少してしまうと、生活習慣病リスクの上昇や更年期症状につながり、悪化すると加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群という症状にまでなってしまいます。

元気はつらつとした生活を送るには、欠かせないホルモンといえるでしょう。

  • 参考文献
    ・TARZAN https://tarzanweb.jp/post-208228/span>
    ・Dクリニック東京 https://kounenki.menshealth-tokyo.com/
    ・北村クリニック https://kitamura-health.com/
    ・大東製薬工業 https://www.daito-p.co.jp/
    ・ドクターズ・ファイル https://doctorsfile.jp/h/25832/mt/2/
    ・レイコップ https://www.raycop.co.jp/life/doctor/2047/
    ・BFLクリニック  https://bfl-clinic.com/
    ・テストステロンが思春期に脳の雄性化を促進するしくみ  http://www.saitama-u.ac.jp/topics_archives/2016-0621-1255.pdf
    ・男性型脱毛症治療の現状と今後の展望  https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/133/2/133_2_78/_pdf

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