近年では老若男女問わず脱毛や除毛を行い、ムダ毛を処理する人が増えてきています。
脱毛を行う理由としては、綺麗にしたい、剃る手間を省きたいなどが大半ですが、エチケット脱毛という言葉もあるように、「将来介護を受ける身になっても迷惑掛けない様に」という理由で脱毛処理を行う高齢者も多いようです。
しかし、脱毛の施術を施すことで火傷や色素沈着などのトラブルに陥る事を懸念する声を頻繁に耳にしますし、施術を受けた方の中には「肌にシミが出来た」「もともとあったアザが濃くなった」などの声があるのも事実。
もちろん施術後の経過には個人差はありますが、万が一のトラブルを考えると脱毛の決心がつかないという方も居ますし、せっかく脱毛して肌が明るくなったのに、目立つ部分にシミやアザができたら困ります。
そこで、今回はクリニックやサロンで脱毛施術を受けるによって、シミやアザが濃くなることはあるのか、またその原因と対処法を見ていきましょう。
- 光とレーザーは紫外線とは異なり、シミの原因にならない!
- 脱毛でシミやアザができる可能性について
- 脱毛を進めることでシミを薄くする効果も期待できる
- シミやアザがあっても脱毛はできる?
- 脱毛でシミを増やさないためにできること
光とレーザーは紫外線とは異なり、シミの原因にならない!
そもそも、どうして脱毛によってシミやアザが濃くなるとの噂があるのでしょうか?その理由は、波長の強い可視光線を照射する施術方法にあります。
シミの原因は太陽光から降り注がれる紫外線です。紫外線を浴びると、肌をガードするためにメラニン色素が生成さますが、このメラニン色素は本来肌のターンオーバーによって排出されます。しかし、新陳代謝がうまくいかないなどの理由がある場合、本来排出されるものが部分的に残ってしまい、その結果としてシミやアザとなってしまうのです。
一方、クリニックやサロンで脱毛の際に使用される光やレーザー脱毛の光は紫外線を含んでいません。これは紫外線とは異なる光のため、脱毛用の光やレーザーを肌に照射したことが、直接的なシミやアザの原因にはならないという事実は意外と知られていません。
脱毛でシミやアザができる可能性について
アザやシミの直接的な原因になることはないと解説しましたが、実は次のような条件では皮膚にシミが残ってしまう可能性も考えられます。
施術自体がシミやアザを増やすことはありませんが、体の性質や日頃の生活習慣によって色素沈着を起こすこともあるので十分に注意したいですね。
もともとあるシミがターンオーバーで押し上げられる
メラニン色素によるシミは、もともと皮膚の奥である真皮の部分で生成されます。
この生成されたメラニン色素が、ターンオーバーを繰り返すことで表面に出てくるのがシミやアザの元。特に脱毛の中でもフォトフェイシャルのフラッシュを当てると、細胞が活性化して真皮にあったメラニン色素が押し上げられ、シミとして皮膚表面に現れることがあります。
この状態を見て「脱毛したことでシミができた」と勘違いしてしまう人がいるのです。
ターンオーバーで表面化したシミは、そのままターンオーバーが正常に進んでいけば1か月前後で薄く目立たなくなっていくことが殆どなため、シミやアザが目立ってきたからとあわてず、スキンケアをしながらしばらく様子を見るようにしましょう。
レーザーによる火傷がシミやアザが出来るリスク
光脱毛とくらべて脱毛効果が高く、短期間で施術を終えられるのがレーザー脱毛のメリット。しかし、照射出力が高い=高熱のレーザーを照射しているため、人によっては軽いやけどのトラブルも起こり得ます。
そもそもレーザー脱毛はメラニン色素に反応し、毛根を破壊することで毛を生えづらくする施術。日焼けをしている人や色黒の人、さらにシミやそばかすなど色素沈着がある部分にレーザーを照射すると、そこにもエネルギーが分散してやけどに至るリスクがあるのです。
このような軽度のやけどもやがてターンオーバーで目立たなくなっていきますが、すぐに冷やさない、保湿を怠るなどきちんとケアしないと、肌のターンオーバーがうまくいかず、アザやシミが残る可能性があります。
脱毛後のかゆみで肌をかきむしると色素沈着が起きる
脱毛によってアザやシミができるもう一つの原因が脱毛後に肌をかいてしまったり、こすったりすること。 脱毛後は高熱によって肌に負担がかかっており、本来のバリア機能が低下している状態です。
そのため、普段よりも乾燥しやすくかゆみの症状が出やすい状態となっています。かゆみがあるからと、脱毛した部位をかきむしってしまえば肌が傷ついてしまい、そのまま色素沈着を引き起こす可能性があるため、意識して気をつけておかなければなりません。
このように、光やレーザーそのものがシミやアザを増やす直接的な要因にはなりません。 シミやアザを増やさないためには、脱毛後に肌をいたわることが大切です。
既存のシミやアザが目立つようになる場合がある
脱毛をしたことで、もともとあったアザやシミが目立つケースも考えられます。特に体毛が濃い人は足のすね毛を脱毛したことで、これまでほとんど見えていなかった、ちょっとしたアザがわかりやすくなる可能性もあるのです。
特にヒゲ脱毛を行った結果、密集していたヒゲがなくなった結果、もともとアゴにあった薄いシミやアザがあることに気付く人もたまにいいます。
これが、脱毛によって新しくできたシミだと勘違いする一つの原因。これらのもともと存在していたシミは、次のように脱毛を進めるうちに薄くなる可能性があるです。
脱毛を進めることでシミを薄くする効果も期待できる
ここまでリスクについて説明してきましたが、実は脱毛によっては既存のシミやアザを薄くする効果も期待できます。
たとえば、光脱毛でおなじみのフォトフェイシャルは、肌のターンオーバーを促進して美肌に導く脱毛器。女性向けの脱毛サロンの多くでも導入されていて、脱毛をしながら美肌や美白を目指したい方に人気です。
また、その他にもクリニックで使用しているアレキサンドライトレーザーも、シミやアザの色素新着を薄くする効果が期待できます。こちらのアレキサンドライトレーザーに至っては、もともと皮膚科でシミなどの色素沈着をやわらげるための治療として導入されていました。
実際にアレキサンドライトレーザーでの医療脱毛をした結果、シミが目立たなくなった、ホクロが薄くなったとの結果も多く報告されており、むしろ気になるシミやアザも脱毛をすることで、目立たなくなる可能性もあるのです。
シミやアザがあっても脱毛はできる?
それでは、もし脱毛をする前から目立ったシミやアザがある場合でも、施術は受けられるのでしょうか?結論はお店によって対応が違うため、できるところもあればできない可能性も考えられます。
その理由として、そもそも光やレーザーはメラニン色素に反応するため、色素沈着であるシミやアザにも反応する恐れがあります。シミやアザの部分がやけどをするリスクが高いことから、色素沈着が濃い部分は避けて施術するお店も多くあるのが実状です。
また、肌色のシールをシミやアザの上から貼り付けて、その上から光やレーザーを照射する方法をとっているところもあります。ただしあまりに広範囲なアザでもない限り、部分的に避けての施術ができるため、シミがある人も安心して脱毛にチャレンジしましょう。
脱毛でシミを増やさないためにできること
脱毛でシミを増やさないために、日頃からどんなことに気をつければいいのでしょうか?脱毛を行う際に心がけたいポイントを解説します。
日焼けを防ぎ、脱毛シーズンを考える
日焼けをすると肌にメラニン色素が生成され、日焼けや色素沈着の状態を悪化させてしまいます。脱毛期間中は日焼けをすると施術ができなくなるため、日頃から日焼け止めクリームを使って紫外線から肌を守りましょう。
時期的には、翌年の夏に向けて肌の露出が少なくなる秋頃から脱毛に通うという方法も一つです。夏場は必然的に肌の露出が増え、知らぬ間に日焼けしてしまっている場合も考えられるため、日焼けしないシーズンがオススメと言えます。
できるだけムダ毛処理をしない
カミソリや電動シェーバーの摩擦によって、メラニン色素が生成される原因になります。しかし、仕事の関係上、ヒゲを剃らないままでいられない人も居るでしょう。
そのため、ヒゲ剃りを行う場合はできるだけ皮膚との摩擦を避けるために、専用のヒゲ剃りクリームやジェルを使うなどして肌を傷つけないように心掛ける必要があります。
また、ヒゲ剃りやムダ毛処理をしたあとは、肌に負担がかかっているため乾燥などを防ぐために、保湿クリームでスキンケアすることも忘れないでください。