テストステロン(男性ホルモン)が増加する要因とは

テストステロン(男性ホルモン)が増加する要因とは

テストステロンは男性の元気の源といわれる男性ホルモンです。ところが、テストステロンは年齢を重ねるごとに減少していくといわれています

ただし、その減り方には個人差があります。あなたの周りにも、高齢なのに元気で男らしい雰囲気の、まさにテストステロン値が高そうな男性がいるはずです。

年齢によってテストステロン値は変化しますが、人によっては減少のカーブが緩やかな人や逆に増加する人もいます。自然な形でテストステロン値を一定に保ちたい、できれば増やしたいと願う男性も多いことでしょう。

テストステロン値が高い男性と自分はいったい何が違うのか?本記事ではテストステロンが増える要因について調べてみました。

テストステロン増減の要因は?

まずは、テストステロンが増える要因と、減少リスクになる“気を付けるポイント”を理解していきましょう。増加する要因を知り、意識することでテストステロンを増やすことに近づけるはずです。

筋力トレーニング

筋力トレーニング

筋力トレーニングは健康促進や基礎代謝量アップによって太りにくい体を作るなどメリットの多い運動です。ここ数年、筋力トレーニングを主体にしたパーソナルトレーニングジムが数多く登場しているのも、それだけ筋力トレーニングに興味を持つ人、つまり需要が増えている証拠です。

ご存じの人も多いでしょうが、筋力トレーニングはテストステロンの分泌を促進してくれます。

そもそも、筋力トレーニングとは体に負荷をかけることです。かけられた負荷によって筋繊維は痛みますが、栄養と休養によって回復した筋繊維は負荷をかける前よりも強くたくましくなります。これが筋トレのメカニズムですが、負荷をかけられることで体が危機を感じ、一種の興奮状態となることでテストステロンが分泌されるといわれています。

一種の興奮状態がテストステロンを増やす

興奮状態によってテストステロンが増えるのは、筋力トレーニングに限ったことではありません。例えば闘争心や浮気。ジャンルは異なりますが、興奮状態に陥りやすいのではないでしょうか。

闘争心に関しては「相手に負けたくない」という気持ち、浮気については「いけないことをしている」「バレたらどうしよう」という気持ち。これらが興奮をもたらすのでしょう。
こうした興奮状態もテストステロンの分泌を促進する可能性があります。 

激しすぎる運動はテストステロンを一気に下げる

興奮状態でテストステロンが増加する一方、過度な負荷がかかった場合はテストステロンが減少することもわかっています。

例えばフルマラソンのように極度の負担が長時間体にかかると、テストステロンは減少します。テストステロンを増やしたいからと自分自身の限界を大きく上回るような負荷の運動を行った場合、増えるどころかむしろ減ってしまう可能性もあります。

テストステロンを自然に増やしたいのであれば、自分自身の限界を把握して、無理しすぎない範囲で運動を行うことが大切です。

脂肪が多いとテストステロンは出にくい

興奮状態になるとテストステロンの分泌が促進されるものの、体に脂肪が多い場合はテストステロンの分泌は鈍化します。

脂肪が多い人はプロラクチンと呼ばれるテストステロンの分泌を抑えるホルモンが増加する傾向にあります。そのため、痩せている人と比較するとテストステロンの分泌量が少なくなっている可能性があります。

食生活

食生活とテストステロン

食生活も、テストステロンの分泌と無関係ではありません。

亜鉛、タンパク質には、テストステロンを増やす効果があるとされています。特に、質の良い筋肉作りに欠かせない栄養素は、筋肉だけでなくテストステロンの分泌も促進します。
この点からも筋肉とテストステロンが密接な関係にあることが分かります。 

筋肉は負荷を加えた後に、休養と栄養をとることよって、より強靭になります。休養に関しては特別何かを必要とするわけではありませんが、栄養は良質な筋肉づくりに大いに関係があります。

筋肉作りには亜鉛やタンパク質が欠かせませんが、同様にテストステロンの増加にも良い影響を与えそうです。 

テストステロンを抑えてしまう食べ物

テストステロンを増やす食べ物があれば、逆に抑えてしまうものもあります。低下させる代表的なものとして、「アルコール」と「精製された炭水化物」、「植物油」の3つを紹介します。

まず、「アルコール」ですが、短時間でのアルコールの大量摂取はテストステロン値を下げると言われています。 では、逆はいいのかというとそれもダメで、慢性的なアルコール摂取はテストステロンの減少をさらに加速させるそうです。お酒好きの人は注意が必要です。

2つ目の「精製された炭水化物」は砂糖、白米、小麦粉などのことです。

完全に避けるのが難しい食品ではありますが、これらの食品を摂取すると血糖値が急上昇してしまい、体のインスリン感受性が低下してしまいます。インスリン感受性の低下はテストステロンの低下と深く関わっているため、結果的にテストステロン値を下げることにつながってしまいます。過度の摂取は控えましょう。

3つ目の「植物油」についての問題点は、「オメガ6脂肪酸」の比率が高いことです。「オメガ6脂肪酸」の摂取量が多いと、テストステロンは低下すると言われています。

「なたね油(キャノーラ油)」や「とうもろこし油(コーン油)」、「サフラワー油」、「サンフラワー油」、「ゴマ油」が代表的な植物油です。テストステロンを高めたい場合は、それらの摂取に気をつけましょう。

他にも「大豆がテストステロンを下げる」という研究結果がありますが、一方で「影響はない」という研究データもあります。豆類とテストステロンの関係については決着がついていません。大豆には、さまざまな栄養素が詰まっているので安易に避けるべきではないでしょう。

ライフスタイル

ライフスタイルもテストステロンと密接な関係にあります。

どのような日常生活を送っているのかで、テストステロンが「増えやすい人」「増えにくい人」が違ってきます。

ストレスのない生活

ストレスは体にさまざまな悪影響を及ぼすものですが、テストステロンも例外ではありません。一般的にストレスが多い人は、免疫力が低下しています。

ストレスのない生活を送っている人は免疫力も高く、テストステロンも増えやすい環境にあります。
現代社会では誰もがストレスを避けられませんが、抱えたストレスをしっかりと発散し、体内に貯めこまない人はテストステロンが増えやすいと言えます。

ストレスに抱え込みやすい性格の人や、発散させることが苦手な人はテストステロンが低下傾向にありそうですので改善を意識しましょう。

たっぷりの睡眠

たっぷりの睡眠でテストステロン改善

睡眠不足も免疫力を低下させてしまいます。睡眠が不足傾向にある人は、テストステロンが増えにくい状態といえます。
逆に、毎日しっかりと睡眠を取っている人はテストステロンが増えやすい傾向にあります。

忙しさと戦っている現代人は、忙しくなればなるほど何かを犠牲にしなければなりません。その際、ターゲットとなるのが睡眠です。

睡眠時間を削ることで簡単に時間を捻出できますので、仕事が立て込んでいるときなどは真っ先に「寝ないで頑張る」「少しくらい寝る時間が遅くなっても…」と考える人も多いことでしょう。

しかし、睡眠はストレスと同様に免疫力を左右する大切なものです。前述のように、筋肉の生成にも大切です。睡眠が短いと休息時間が減少してしまうので筋肉もテストステロンも増えにくい体となってしまいます。

ポジティブ思考

これは相乗効果的な意味合いもありますが、テストステロンが増えるとポジティブ思考になりやすいとされています。
逆に言えば、ネガティブ思考の人はテストステロンが増えにくいと考えることもできます。

そのため、ネガティブな人が筋トレを行うことでテストステロンが増え、ポジティブ思考となり、さらにテストステロンが分泌されるようになるという循環も期待できます。

常日頃から笑顔が多かったり、明るく前向きな人は、「テストステロンが多いから」と考えることもできますし、「テストステロンが増えているから前向きでいられる」と解釈することもできます。

まとめ

テストステロンを増加させる要因と、低下させてしまうリスクについて紹介してきました。テストステロンは目に見えるものではないので、自分自身にテストステロンが多いのか少ないのか、あるいは増えているのか減っているのかなかなか判断しにくい部分もあるでしょう。

しかし、テストステロンの増減についてのメカニズムを知っておけば、自分自身である程度はコントロールできるようになるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

  • 参考文献
    ・大東製薬工業 https://www.daito-p.co.jp/reference/testosterone.html
    ・北村クリニック https://kitamura-health.com/testosterone.html
    ・医療法人社団エムズ https://www.clinicfor.life/articles/a-064/
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