順天堂大・堀江教授×トレーナー・吉田明子さん「テストステロン・アップ対談」2

堀江メソッド筋トレ20230412/吉田さん

当連載の監修者で、男性医療の第一人者である順天堂大学大学院泌尿器外科学の堀江重郎教授と、東京・銀座の会員制パーソナルトレーニングジム「ロジカルジム」でリラクゼーションを取り入れた独自のトレーニング・サービスを提供しているトレーナー兼代表の吉田明子さんによる「テストステロン・アップ対談」。2回目は、効果的な筋トレについて話が進みます。

     ◇

堀江 「吉田さんのジムは1回90分と伺いましたが、トレーニングとリラクゼーションの配分は?」

吉田 「だいたい45分から1時間ぐらいトレーニングをやって、残り時間がリラクゼーションという感じです」

堀江 「マシンでのトレーニングが多いですか?」

吉田 「そうですね。バーベルを持ってのスクワットやベンチプレス、背中の筋肉を鍛えるラットプルダウンを好む男性が多いですね」

堀江 「ラットプルダウンは、けっこう大事なんですよ」

吉田 「そうなのですか。下半身の大きな筋肉を鍛えるほうがテストステロンには効果的というイメージがありましたが」

堀江 「足の筋肉はもちろんだけど、背中も大事ですね。筋肉というより、肩甲骨を寄せることが大事なんですよ」

吉田 「肩甲骨を寄せて、脊柱起立筋のあたりをほぐしていくとか、そういうことですか?」

堀江 「この連載で以前紹介したと思いますが、まずは大きな筋肉を動かすことでテストステロンが分泌されやすい体を作ります。また、肩甲骨を寄せる動きそのものが、テストステロンアップにつながるという研究結果も出ています」

吉田 「男性ホルモンをより分泌をさせるために必要なトレーニングなんですね。そのほかの部位はどうでしょう?」

堀江 「もちろん、スクワットは大事。テストステロン・アップに限らず、トレーニングの中心になりますね」

吉田 「先生が以前出演された番組で、ゴリラが胸を張るポーズをとるとテストステロンがアップするとお話しされていたのですが、大胸筋を鍛えることも必要ですか?」

堀江 「もちろん大胸筋が発達するのは良いことですが、むしろ先ほどお伝えしたように肩甲骨を寄せるほうが大事ですね」

吉田 「あれは肩甲骨のほうだったのですね。今回の連載では、そうしたトレーニングも取り入れて紹介したいと思います。そのほかに何か効果的なトレーニングはありますか?」

堀江 「(マシンのバーを押し下げる)プレスダウンのような1つの筋肉を鍛えるトレーニングだけでなく、複合的に筋肉が動くトレーニングがいいですね。例えばゴルフのスイングは直線だけでなく斜めの動きも加わりますよね。そういうトレーニングですね」

吉田 「男性の会員様にはベンチプレスも人気です」

堀江 「ベンチプレスは血圧が上がるから高齢の人は気をつけないといけませんね」

吉田 「トレーニングの回数についてはどうでしょうか?」

堀江 「週1だと、せいぜい筋力を維持するだけでしょう。筋力をアップするには週2ですね。ただ、筋トレ50分を週に2回やるのはけっこう大変ですよね」

吉田 「1回30分から45分、無理しすぎず燃え尽きないぐらいでやる感じがいいということですね」

堀江 「あと、テストステロンをアップするのに効果的なのはHIIT(ヒット・ヒート=高強度の運動と休みを短時間で繰り返す運動)ですね」

吉田 「HIITはかなりつらいので皆さん嫌がるんですけど、これも取り入れたほうがいいですね」


吉田明子 大手スポーツクラブ、人気ヘッドスパ店、高級エステサロンなどに10年以上勤務。筋肉を鍛えることから、ほぐすことまでの技術と経験をもとに「ロジカルジム」(東京都中央区銀座2−12ー4、https://logicalgym.com/)を開設。



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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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