AGA治療薬で肝臓にダメージは起こる?服用時の注意点について

2022/10/13 薄毛・AGA治療

AGA治療薬で肝臓にダメージは起こる?服用時の注意点について

AGA治療薬を使用している人の中には、肝臓を悪くしないか心配している人もいるのではないでしょうか? 働き盛り世代の男性は飲酒する機会も多いので、肝臓に負担をかけないか気になりますよね。

この記事では、AGA治療薬の副作用にも挙げられる肝臓の障害について解説します。AGA治療薬を服用中の人はぜひ参考にしてみてください。

肝臓に悪い?フィナステリドやミノキシジルの副作用について

AGA治療薬を使用している人の中には、肝臓にダメージが起こらないか気になっている人もいるでしょう。AGA治療薬により、肝臓に悪影響がないか、みていきましょう。

フィナステリドの肝臓に関する副作用について

AGA治療薬の成分であるフィナステリドは、5αリダクターゼという酵素の働きを抑えることで、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑える働きがあります。

フィナステリドの薬品名であるプロペシアの添付文書には、以下の内容が記載されています。

・重大な副作用:肝機能障害
・肝臓への副作用:AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
・肝機能障害を抱える患者の使用には注意が必要
参考:プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mgの添付文書

添付文書の内容を見ると、プロペシアには肝機能障害の副作用があることが分かります。肝臓への副作用として挙げられる「AST」「ALT」「γ-GTP」は、肝臓を構成するタンパク質のことで、肝細胞が破壊されると数値が上昇します。

次は、もうひとつの代表的なAGA治療薬成分であるミノキシジルの肝臓に関する副作用についてみていきましょう。

ミノキシジルの肝臓に関する副作用について

ミノキシジルは血管を拡張して、発毛効果を促進する薬です。AGA治療では基本的に外用薬のミノキシジルが使用されますが、思うような効果が得られない場合、内服薬のミノキシジルが使用されることもあります。

ただし、内服薬のミノキシジルは国内で承認されていないため、日本語の添付文書はありません。成分の吸収の仕組みは異なりますが、外用薬のミノキシジルの注意書きには、以下の内容が記載されています。

・心臓や腎臓に持病がある人は、使用にあたって医師や薬剤師へ相談する必要がある。
・代謝系の副作用:むくみ
参考:ミノキシジルローション5%

AGA治療薬と肝臓への副作用について

ここまで見ると、何となく「プロペシアは肝臓に悪くて、ミノキシジルも危なそう」とイメージを抱くかもしれません。実際に、フィナステリドにより肝機能の悪化がする割合は0.21%という海外のデータもあります。

しかしながら、多くの内服薬の添付文書を見ると、ほぼ副作用リスクに肝機能障害が記載されています。なぜなら内服薬の成分は肝臓によって代謝されるためです。

つまりAGA治療薬に限らず、内服薬であれば多かれ少なかれ肝臓に負担をかけるということです。外用薬のミノキシジルの副作用に肝機能障害がないのは、内服薬のように全身に作用するのではなく、頭皮など局所に作用するためです。

内服薬のミノキシジルには日本語の添付文書はありませんが、肝臓への副作用として肝機能障害が挙がっている可能性は高いといえます。

薬による肝機能障害とは

薬による肝機能障害とは

AGA治療薬をはじめ、内服薬の成分は肝臓で代謝が行われるため、代謝産物が肝臓に現れることで、ダメージが及びます。医学的には薬剤性肝障害といいますが、抗がん剤のような強い薬だけでなく、痛み止め薬やかぜ薬など一般的な薬やサプリメントにも肝機能障害のリスクがあります。

内服薬による肝機能障害は、以下の例でも出ることがあります。

  • 複数の内服薬を使用している
  • 用法・用量以上の内服薬を飲んでいる
  • もともとの体質

お酒の強さに個人差があるように、薬に対する耐性や代謝の度合いは異なります。薬によっては長期間の内服により肝機能障害が起こることもあるので、AGA治療薬を使用するときも注意が必要です。

AGA治療薬で肝臓の障害が起きているサイン

そのほかの内服薬と同じように、AGA治療薬にも肝機能障害のリスクがあります。以下の症状が現れたときは、肝臓の機能が低下している可能性があるので、内服を中断してかかりつけ医を受診しましょう。

≪倦怠感・発熱・黄疸・発疹・吐き気や嘔吐・皮膚のかゆみ≫

肝臓は生命維持に欠かせない臓器であり、肝機能の低下が続くと、意識障害を起こす危険もあります。上記の症状や何か体に異変を感じたら、そのまま放置せずに医療機関を受診することが大切です。

健康診断の血液検査でAGA治療薬の服用はバレる?

AGA治療薬を使用している人の中には、健康診断の血液検査で薄毛治療がバレないか気になっている人もいるかもしれません。通常、血液検査でAGA治療薬の使用が分かることはありません。

しかしながら健康診断であれば、問診の際に内服中の薬を申告する必要があります。また、フィナステリド(プロペシア)、デュタステリドなどの使用により肝臓に負担がかかっている場合、肝機能マーカーの数値が上昇することもあるでしょう。

肝機能の低下の原因を知るために、医師から飲酒習慣やサプリメント及び内服薬の使用について質問されることもあります。自分の健康に関わることなので、AGA治療薬の内服について恥ずかしがらずに伝えることが大切です。

AGA治療薬の使用で腎臓にダメージは起こる?

その他の内服薬と同じように肝臓へのダメージの可能性があるAGA治療薬ですが、他の臓器に影響はあるのでしょうか。肝臓以外にも、内服薬の影響を受けやすい臓器が腎臓です。

腎臓は体に不要な老廃物や水分を尿として排泄する器官です。薬の成分も腎臓から排出されるため、内服薬の使用により腎臓に負担をかけることもあります。

ただ、腎障害を引き起こしやすい内服薬は、痛み止めや抗がん剤、抗菌剤、造影剤が多く、AGA治療薬は副作用のリスクとして挙げられていません。

とはいえ、もともと腎臓に持病があるなど、腎臓の機能が低下している人がAGA治療薬を使用するときはかかりつけの医師に相談しましょう。以下の症状が現れたときは、腎臓に異常が起きている可能性があるので、医療機関の受診が必要です。

  • 尿の減少
  • むくみ
  • だるさや食欲低下など

肝臓を労わりながらAGA治療薬を服用するポイント

「クスリはリスク」といわれるように、AGA治療薬に限らず、内服薬は副作用をもたらす可能性があります。AGA治療薬は長期にわたって内服が必要になることもあるので、肝臓を労わる生活を送ることも大切です。

  • 大量飲酒を避ける。飲酒習慣のある人は休肝日を守る。
  • AGA治療薬は医師に処方されたものを使用する。肝臓データが悪い人は、服用について医師に相談する。
  • 薬の用法・用量を守って服用する。

まとめ

AGA治療薬も他の内服薬と同じように肝臓で代謝されるため、肝機能が低下するリスクがあります。副作用は必ず起こるものではありませんが、AGA治療薬は長期にわたって服用することが多いので注意は必要です。

健康診断の血液検査データを確認したり、肝機能低下時にみられる症状の把握をしましょう。また治療期間中は、肝臓への負担を抑えるために、肝臓を労わる生活習慣を守ることも大切です。

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