前回から「新しいビジカジ様式」というテーマでお伝えしています。ビジネスシーンでは長らく「スーツにネクタイ」が一般的でしたが、クールビズの普及でノーネクタイが浸透し、コロナ禍による在宅勤務の急拡大でスーツを着る機会も減りました。

その結果、働く男性の服のビジネスカジュアル化が進んできました。そこで前回は長時間はいていても楽なストレッチ素材のビジネスパンツを取り上げました。着用する際の注意点として、ベルトループを利用してウエスト位置をきちんと合わせるというアドバイスもしました。

さて、今回は「おしゃれは足元から」という言葉に従い、「新しいビジカジ様式」における靴の大切さを紹介したいと思います。

スーツには基本的に革靴を合わせますが、ジャケットとパンツ、またはジャケットを着ないシャツスタイルの場合はスウェードのコインローファーを合わせると、ビジカジ様式がうまくいきます。

セットアップと呼ばれるスーツスタイルや、ジャケットとパンツを合わせたジャケパンスタイルにスニーカーを合わせると、スポーティーな雰囲気が出せ、魅力的なスタイリングになります。ただ、ビジカジ初心者は、なんとなく落ち着かないかもしれません。

そこでオススメしたいのがスウェードのコインローファーです。革靴よりはドレスダウンしますが、それでもドレス感は維持したままなので、上品スタイルが出来上がります。

また、カジュアルなデニムやチノパンツでも、スウェードのコインローファーと合わせるとフォーマルな雰囲気が増し、ほどよい「ビジカジ」感が出せます。

服や小物などを購入するときは、ビジネス用とプライベート用の両方に使えるかどうかを頭の片隅に置きながら決めると成功します。まずは一足、濃い茶や黒などのスウェードのコインローファーを準備しましょう。さらに資金に余裕がある人は、カーキやネイビーなどの色の靴もそろえるとビジネスでもプライベートシーンでも幅広く使えます。

同じ服でも、靴を変えるだけでイメージが変わります。スウェードのコインローファーはエレガントにもスポーティーにもなりますので、この秋おすすめです。足元のおしゃれを自由に楽しむのが大人の男性です。

【えとき】

シンプルなスウェードのコインローファー。黒やこげ茶、キャメルやネイビーもあると重宝します