「ケチ」から「買い物上手」に変身する男のファッション術
「ケチ」は嫌われ、「買い物上手」は好かれる。節約という目的はどちらも同じですが、思考パターンは別物です。その違いは「買い物の価値観」に現れていました。もともと私もケチでしたが、服の知識を身に着け、買い物上手になりました。今のあなたは、どちらに分類されるでしょうか。
夕刊フジと中高年結婚情報サービスの茜会(東京都新宿区)が共同で実施した男性ファッションの意識調査。「休日の服はどのくらいの周期で買い替えますか?」という設問に対し、「2〜3年」が39%、「半年から1年程度」が33%でした。
一見、両者の割合は同程度ですが、このサイクルの差が「ケチと買い物上手の分岐点」だと私は見ています。買い物上手とは「低価格で高品質な服を見つける目利き」という意味合いがありますが、真の買い物上手は「買い替えるタイミング」が絶妙です。賞味期限と消費期限は食品だけでなく服装にもあるのです。
先週紹介した「大人の出会いの場にふさわしい『ややカジュアル』」の人気も、それが3年前に購入した服だと大幅にパワーダウンする可能性があります。消費期限は切れていませんが、「生地のくたびれによる生活感」によって清潔感、すなわち賞味期限は損なわれているかもしれないからです。けれど、服には賞味期限は書いてありません。だからこそ自分で期限を設定していくしかないのです。
「身なりはキチンとしているのに清潔感がない男性」の多くは、賞味期限が切れた服をそのまま着ている懸念があります。特にシャツやパンツは肌に直接触れるため、手入れにも限界があります。
一方、コートやジャケットなどの季節ものは2〜3年はもちますが、ボロボロになるまで着ることだけは避けたいですね。この価値観を変えることが「ケチから買い物上手に変身する道」なのですが、先の意識調査では「ボロボロになるまで(着て買い替える)」という回答が19%もありました。
とはいえ、これまでの生き方を急に変えることはできないかもしれません。そこで今回は「下着を変えてみる」ことをおすすめします。誰に見せるわけでもありませんが、新品を身に着けたときに感じる気持ちを久しぶりに味わってみてください。これこそ「買い替えサイクルをつくる」はじめの一歩だと私は考えています。
節約自体は悪いことではありません。ただ、「もったいない」という思いから、ボロボロになるまで使い切るという考え方が、女性があなたを遠ざけている原因かもしれません。
【写真】はGUのボクサーパンツ(税別490円)
この記事のライター
森井 良行
スタイリスト。のべ4500人を超えるビジネスマンの買い物に同行し、現在はおしゃれを学ぶコミュニティ「エレカジ大学」を主催。「日本元気シニア総研」研究委員やAll Aboutメンズファッションガイドを務める。近著は『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)。
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