【連載:コロナとセックスレス1】全国5000人の「セックス調査」結果は?

2020/08/31 免疫力向上

コロナとセックスレス2020年8月31日

コロナ禍のいま、3密はもちろん濃厚接触はご法度。ただでさえセックスレス大国の日本で、いったい世のカップルはどんな性生活を送っているのか。そんな素朴な疑問を連載で探っていく。

全国5000人の「セックス調査」結果は?

コンドームメーカー「ジェクス」が先ごろ、全国男女5000人を超える性の大規模実態調査「ジャパンセックスサーベイ2020」を発表した。


一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターがジェクスからの依頼を受け、2020年2月21〜24日にインターネットで実施したものだ。

コロナとセックスレス2020年8月31日グラフさしかえ

まずは、婚姻関係にあるカップルのセックスレスについて。調査は20〜69歳を対象に実施されたが、2004年から日本家族計画協会が行ってきた「男女の生活と意識に関する調査」結果との比較のため、20〜49歳の婚姻関係にある男女に絞った数値でみると、セックスレスは51.9%。実に2組に1組以上である。



60代男女は10年以上セックスレス!?

セックスレスの定義をおさらいすると、「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1カ月以上ない」こと。セクシュアル・コンタクトにはキス、ペッティング、裸でのベッドインなども含まれている。


「特定の相手に限らないこの1年間のおよそのセックス回数」の質問では、まったくセックスがないのは男性41.1%、女性49.5%。


さらに、1年以上セックスしていない人に、「どれくらい前から」と聞いた結果、平均で男性8.7年、女9.6年。中でも60代では男性11.4年、女性12.8年。


つまり、50代からセクシュアルな触れ合いとは無縁の生活を続けているのは決して珍しいことではないのだ。


しかし、パートナー以外とのセックス状況についての質問では、男女共にどの年代でも特定の1〜2人とはしている人が2〜4割存在していた。



男性の性欲は消えていない

男性にセックスと射精回数の頻度を聞いたユニークな質問では、「セックス回数=射精回数である」が23.9%であったが、自慰や夢精、性風俗利用などで、「セックスの回数よりも射精する回数の方が多い」が36.2%、「セックスはしていないが射精はしている」が39.9%。日本人男性から性欲が消え失せたわけではないようだ。


「セックスしたいか」の直球の質問では、したい男性が女性の2倍近い。男性は40代が85.9%で「したい」のピークで、それ以降も高く、50代81.2%、60代72.4%。一方、女性は20代がピークで後は年齢と共に下がり、60代で「したい」と回答した人はわずか18%。


「セックスの目的」でも、男女の意識の違いは明確になった。


男性は1位「性的な快楽のため」(69.8%)、2位「愛情を表現するため」(56.5%)。女性は1位「愛情を表現するため」(56.1%)、2位「ふれあいコミュニケーションのため」(45.1%)。



男女のセックス観の違いは深刻

本調査に携わった日本家族計画協会の理事長・北村邦夫氏(産婦人科医)はこう分析する。


「日本人の男女のセックスに対する意識のすれ違いは思いのほか深刻です。間違った情報や思い込みで、セックスは面倒、価値がないとネガティブなイメージが強まっています」


「いいセックスは学習の成果であると私は考えていますが、いまだに正しい教育はされていません。セックスは究極のコミュニケーションですから、コミュニケーション能力が低下している現代人は、責任のないセックスで性欲が解消できれば十分という人が増えていると感じます」


この現状がコロナによって性生活にどんな変化を起こしているか。


(熊本美加)


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