テストステロンをアップする「睡眠法」

堀江メソッド筋トレ20221019

血液中のテストステロン濃度は朝が一番高く、夜にかけて減っていきます。そして夜寝ている間に作られ、翌日の活動に備えられます。したがって、良質な睡眠をとることがテストステロンアップには大変重要です。

良質な睡眠のポイントは、寝つきが良いこと、深い眠りであること、スッキリと目覚められること—の3つです。そうした質の良い睡眠を手に入れるには、いくつかのコツがあります。


(1)食事は就寝前3時間前に済ませる

食事をしてすぐに寝てしまうと、頭は眠っていても内臓が食べたものを消化するために働くため、同じ時間でも眠りが浅かったり、身体の疲れが取れにくくなります。特に炭水化物を多く取ったり、早食いによる血糖値の急激な上昇と降下(血糖値スパイク)は眠気を強く感じることが多いので、炭水化物の量を減らしたり、野菜を先に食べるなど食べる順番に工夫することが大切です。


(2)温かい飲み物で体を温める

アルコールやカフェインの入っていない、白湯やハーブティーで内臓から体を温めると、その体温が下がり始める時に自然に眠気が起きます。


(3)ぬるめのお風呂に入る

38度くらいが適温です。熱すぎるお湯は逆に覚醒効果がありますので、熱いお風呂やシャワーは朝のほうがおすすめです。ぬるめの風呂に30分ほどつかると、心身の緊張を解きほぐしリラックス効果も生じますので、良い眠りにつながります。


(4)夕食はタンパク質を多く取る

タンパク質は疲れた身体の修復に使われます。また、良質な睡眠に不可欠なセロトニンの材料となるトリプトファンは必須アミノ酸の一種ですが体内で生成できないため、食事から取る必要があります。肉、魚、卵、乳製品などを積極的に取りましょう。


(5)日中に適度な運動をする

適度な運動をすることで、生活の中で活動と休息のリズムができるため、自然な入眠と深い眠りを得られます。ただし、“適度”であることが重要です。オーバートレーニングは逆に身体が興奮状態になってしまうため、寝つきが悪くなったり、中途覚醒の原因となります。寝る前のお酒は、寝入りはよくなるものの、眠りが浅くなったり、利尿作用があるのでトイレに何回も起きてしまうなどのデメリットのほうが大きいため要注意です。

【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。

【堀江メソッド】

活動と休息のサイクルはテストステロン生成にとても重要です。たとえば、「寝る間も惜しんで」仕事することも考えものです。テストステロンは夜寝ている間につくられ、1日の中では朝が一番値が高いものです。つまり、夜の間に翌朝の狩猟に出るための準備をしているわけです。

朝勃ちもテストステロンのバロメーターと言えます。最近、朝勃ちの頻度が減ったり、硬さがなくなってきたと感じられる人は、テストステロンが低下している可能性があります。良質な睡眠を得るための工夫をぜひ今日から始めてください。


  • はてなブックマークに追加

この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


RECOMMEND

-AD-