病気や老化のもと「炎症」をテストステロンアップで防ぐ

堀江メソッド筋トレ20230118/炎症イメージ

「炎症」とは物理的刺激や化学的刺激、ウイルスなどの微生物の感染などに対する体の防御反応の一つです。程度と炎症の期間によって急性炎症と慢性炎症に区別されます。

急性炎症は短期間で治る炎症で、発赤、発熱、腫脹、疼痛などの自覚症状のある炎症です。慢性炎症とは本来は短期間で治るはずの炎症が低レベルで長期にわたって続いてしまう症状を指します。慢性炎症は自覚症状を感じにくく、長く続くと身体の健康な細胞も傷つけてしまい、さまざまな機能や健康状態に悪影響を及ぼします。

慢性炎症が伴う疾患としては、アトピーや喘息などのアレルギー性疾患、関節リウマチなどの自己免疫性疾患のほか、加齢に伴うがん、アルツハイマー、動脈硬化、糖尿病などにも悪影響があると考えられています。

慢性炎症となる要因はさまざまですが、ここでもカギを握るのは「食事」「運動」「ストレス」「睡眠」です。

まず、糖質や脂質の取りすぎで増えてしまった内臓脂肪から、炎症を引き起こす物質が分泌されるといわれています。カロリーが高い食事を取ると脂肪細胞が刺激されて炎症が続き、血糖値が下がりにくくなってしまいます。抗炎症作用がある食品として、野菜、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイル、アボカド、ターメリックなどが良いとされていますので、積極的に食事に取り入れましょう。

また、心身ともにストレスがかかっている状態で炎症を起こす物質が分泌されやすいことも分かっています。慢性炎症は身体のさまざまな疾患に関与していると考えられていますので、ストレスはまさに「万病の元」なのです。そのストレス解消には適度な運動が効果的です。

スマホやデジタル機器の人工照明も、体内時計を狂わせてストレス過多や良質な睡眠を妨げるため、慢性炎症の原因になります。就寝前は極力、スマホやパソコンを見ることは避け、デジタルデトックスを行いましょう。

「食事」「運動」「ストレス」「睡眠」は悪い連鎖で関わり合っています。ストレスが溜まると過食になったり睡眠不足になりますし、睡眠不足で疲れた身体では運動する気力が湧きません。するとまたストレスがたまり、お酒の量なども増えてしまいます。こうした負のスパイラルに陥らないように注意しましょう。

そこで本項のテーマであるテストステロンです。テストステロンには抗炎症作用があり、体内のテストステロン値を上げることで身体の慢性炎症を改善することが分かっています。また、テストステロンを上げるとストレスを軽減させて運動に取り組む意欲が湧くことも期待できます。負の連鎖を断ち切る一助になりますので、テストステロン補充も検討してみてください。

【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。

■堀江メソッド

抗炎症作用のあるテストステロンは補充療法だけでなく、日頃の食習慣の見直しでも上げることができます。抗炎症作用のあるターメリックとテストステロンを上げる羊肉を使った野菜たっぷりのカレーなどがおすすめです。その際、ご飯は玄米を選び、小麦粉や油脂を含むルーは使わないサラサラのスープカレーにするのがいいでしょう。前菜として、オリーブオイルやアボカドオイルをかけた生牡蠣を加えれば、抗炎症とテストステロンアップ両方に効果的です。


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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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