テストステロンをアップするビタミンDとマグネシウムを食事で取る
日光を浴びていますか? 紫外線が皮膚に当たると、筋肉や免疫力などを強くするビタミンDが作られます。また、テストステロン(男性ホルモン)の産生にも重要で、ビタミンDが不足するとED(勃起機能障害)になりやすいことが知られています。
在宅ワークなどでほとんど日に当たらない人はビタミンDが不足しやすいので注意が必要です。ビタミンDはサプリメントの中でも比較的安価なので気軽に取り入れられるでしょう。その時、気を付けるべきポイントはマグネシウムというミネラルも不足しないようにすることです。
サプリメントで補われたビタミンDは不活性な状態で、体内で代謝されることで活性型に変わります。その代謝にはマグネシウムが必要なのです。残念ながら、マグネシウムはストレス社会を生きる私たちにとって不足しやすいミネラルです。アルコールを取りすぎたときやストレスが強いときには体内からマグネシウムが排泄されやすくなるからです。
せっかくビタミンDを十分に摂取していても、マグネシウム不足だとビタミンDは不活性のままなので非常にもったいないです。では、マグネシウムはどのような食品に入っているのでしょうか?
代表的な食品として、豆腐・納豆などの大豆製品、玄米、イワシ、わかめ、ホウレンソウなどが挙げられます。もともと日本人は長い間マグネシウムが多く含まれている未精白の穀物や植物性食品を摂取してきた民族といわれますが、ファストフードなど食の欧米化が進んだことにより摂取量が減ってしまいました。たまには朝食のパンを玄米と味噌汁に置き換えてみるなど、普段の食事に和食を取り入れてみるとよいでしょう。
マグネシウムはサプリメントとしても販売されていますが、取りすぎには注意が必要です。マグネシウムは腸の中に水分を引き寄せる効果があるため取りすぎると下痢を起こすことがあります。サプリメントから摂取する場合は1日350ミリグラムを超えないようにしましょう。
【一般社団法人1UP学会】
男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区、http://www.hibiyakokusai.or.jp/)で実施している。
【堀江メソッド】
ビタミンDは体内でホルモンのように働いて免疫力を高めます。海外の研究では、ビタミンDが欠乏すると新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高まるというデータも示されています。精力的に活動するためにはビタミンDとマグネシウムを意識して取り、テストステロンを高めることが大切です。詳しくは『LOH症候群』(角川新書)をご覧ください。
この記事の監修者
堀江 重郎
1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。
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