「出産後も働きやすい職場」の“弊害”とは?

2021/08/05

幸せおじさん2021年8月5日

30歳手前になって、子育てしながら働いている友人が周りに増えてきました。就活をしていた20代前半の頃は、出産後の自分がイメージができず、企業が発信する「出産後も働きやすい職場です」という文脈にまったく魅力を感じませんでした。

ところが、29歳にもなると、徐々に子育て後のキャリアについて考えるようになり、やはり「出産後も働きやすい職場」というフレーズに反応せずにはいられなくなってきました。ただ、このフレーズで、最近疑問に思ったことがあります。

友人の勤め先では、「出産後も働きやすい職場にするために、子持ち女性には忙しい業務や責任が大きい仕事は振らない」という方針があるそうです。これは「マミートラック」とも呼ばれ、子供を持つ女性の働き方として、仕事と子育てを両立できるように、昇進や昇給などが難しくなるキャリアコースとなっています。

女性が中心になって子育てをしている場合、急に子供に熱が出て保育園にお迎えに行かなければならないなどの可能性があります。そのため責任のある仕事は任せず、アシスタント的なポジションに替わるなど、会社が調整するというのです。

もちろん、働きやすさを追求するための配慮として、救われる方も多いでしょう。しかし何か大切なことを忘れていませんか。「本人が本当にそれを望んでいるのか?」という確認を。

「子育て=女性がやるもの」というジェンダーバイアスにより、自動的に業務を替えるのではなく、しっかりと本人の意思の確認が大切だと思います。

もしかしたら、夫が仕事を制限して育児を率先する可能性だってあります。親が全面的に子育てをサポートしてくれる可能性もあります。また、家事代行の契約するかもしれません。

「働きやすさ」は人それぞれ違います。「女性だから」というのではなく、個人に合った働き方を提案できる企業が素敵ですし、求人でもアピールできると思います。

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この記事のライター

工藤 まおり

工藤 まおり

フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。


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