地方に残る「保守的なジェンダー思想」、移住の障害にも?
知り合いが住む、ある地方の町で2週間過ごしてきました。ワクチンを打って、やっと会いたかった人に会いに行ける! と喜びつつ、飛行機を予約。感染症の影響で、遠くの人との接触を控えていたので、念願の旅でした。
実は2年ほど前から地方移住を考えています。ですので「ここに住んだらどんな感じかな」「ここには、こんなに大きいスーパーがあるのか」など、訪れた地域で暮らすことを頭の片隅で考えながら過ごしていました。
地域を理解するには、そこに住んでいる人のことも知らなければ…。そう思って、ただの旅行者ではなく、地元の方と接する機会を増やして、とことん話すようにしました。たまたまジェンダーに関する話題が出たときのことです。
「家事や育児は女の仕事である」という意見や「結婚したら、女が名字を変えるべき」という保守的な考え方がまだまだ一般的なのです。日常的な会話では、とても居心地が良く「波長が合う人たちが多いな」「ここなら住んでみたいかも」と思っていたので、ジェンダーに関する考え方が都市部と地方でこんなにも違うのかとびっくりしました。
私が普段仕事で接する人たちからは、「男はこう」「女はこう」という発言があまりないです。住むエリアや話す年代の人など関わる人たちが変わると、まるで外国に来たかのように価値観の違いが露わになります。
その人たちの生きてきた経験に根差した意見に対しては、否定も肯定もしません。私は「女」「男」で区切るのではなく、そこを固定概念なくフラットに考えられる方が好きです。また、近年、「性別欄のない履歴書」が販売されたり、性別を問わずに着ることができるジェンダーレス制服も誕生したりと、性別より個々にフォーカスしていく考え方が主流になるように感じます。
移住を考えるのであれば、そういう価値観も共有できる人がいるか、賛同する人を増やせるか、しっかり確認しなくては、と思いました。
この記事のライター
工藤 まおり
フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。
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