発見!テストステロン、男性ホルモンは腸内細菌をも変える

堀江メソッド筋トレ20221026/納豆

私たちの腸には腸内細菌が1000種類、100兆個も生息しています。腸内細菌は免疫力、ホルモン環境、アレルギーを左右していることが近年明らかになっています。

実は腸内細菌はテストステロンにも関連があることが分かってきています。順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学と慶應義塾大学先端生命科学研究所の共同研究で、前立腺がんの治療で男性ホルモンをブロックした男性の腸内細菌は種類が変わり、多様性が失われていることがわかりました。

その腸内には善玉菌、悪玉菌、どちらでもない中間の菌が生息しており、善玉菌が優勢な状態が健康的な腸内環境です。善玉菌の割合を増やすには、「善玉菌を含む食品を摂取する」「もともと腸にいる善玉菌を増やす作用のある食品を摂取する」の2通りの方法があります。

善玉菌を含む食品としては、ヨーグルトや納豆、漬物などのビフィズス菌や乳酸菌を含む発酵食品があります。最近は乳酸菌飲料も多数販売されています。これらを積極的に取ることで善玉菌は増えますが、これらの菌はある程度の期間は腸内に存在できるものの、住み着くことはできないので継続的に摂取することが重要です。

堀江メソッド筋トレ20221026/ヨーグルト

堀江メソッド筋トレ20221026/タマネギ

堀江メソッド筋トレ20221026/キムチ

もともと腸にいる善玉菌を増やす食材は、オリゴ糖や食物繊維を多く含む野菜や果物、豆類などです。オリゴ糖は大豆・たまねぎ・ねぎ・ごぼう・にんにく・アスパラガス・ブロッコリー・カリフラワー・アボカド・バナナに多く含まれ、食物繊維は玄米・大豆・さつまいも・こんにゃく・ごぼう・セロリ・アスパラ・バナナ・キノコ類・海藻などに多く含まれます。

ここで気をつけたいのが炭水化物を取らない糖質制限のダイエットです。ご飯やパンなどの主食には糖質の他に食物繊維も含まれているため、糖質制限で食物繊維が不足する可能性があります。糖質制限ダイエットの際は、上記の食材を積極的に取って腸内環境をケアする必要があります。

また、適度な運動で自律神経を整えたり、ファスティング(断食)で腸を一時的に休ませることも、腸内環境を健全に保つために有効です。

 腸内環境が良い状態であるかどうかを知る簡単な方法は、便の状態を観ることです。色が黄色で臭くなく、バナナ状の形が理想的な便です。逆に黒っぽくて臭く硬い、またはドロドロした便は腸内細菌のバランスが悪くなっている状態です。

不健康な生活は悪玉菌を増やしてしまいますので、バランスの良い食生活と適度な運動を心がけ、しっかり睡眠をとることを心がけましょう。

【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。


■堀江メソッド

ダイエットのための過度な糖質制限とタンパク質の大量摂取は、腸内の善玉菌を減らし悪玉菌を増やしてしまい、テストステロンの低下にもつながります。テストステロンが高い人は魅力的な肉体を作りたいという意識が強い傾向にありますが、方法によっては自滅的にテストステロンを下げてしまう可能性がありますので、極端な方法によるボディメイクはお勧めできません。食事も運動もバランスが大切です。

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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