「セックスができたら死んでもいい」の切実な叫び

2023/01/12

幸せおじさん2023年1月12日

「セックスができたら死んでもいい」

ある障がい者が発したこの言葉が私の心にずっと残っています。

前職のTENGAで広報として働いていたとき、障がい者が使える「カフ(補助具)」の製作について、会社社長から経緯を伺っていたときのことでした。「障害のある方と話していたときに、『セックスができたら死んでもいい』と言われたんだよ」と伝え聞いたのです。

性に関する欲望を発散したいと思ったときに、思うように動けず、そうした行為ができなかったとしたら、どれほどつらく大変なものか。これは、バリアフリーの視点からなかなか気づかない、しかしながら大切なことです。

「月刊TENGA」第47号で、障がい者のリアルな声が公開されたので、ご紹介させてください。最初は、「恋愛や性について、してみたいことや知りたいこと、不自由を感じることや悩み事などがあれば、どんなことでも良いので教えてください」という質問。これに対し、「機能的にも見た目にも自分の体にコンプレックスがあり、恋愛に積極的になれない」「コンドームを自分でつけられない」などの声がありました。

続いて、「あなたが『セックスしたい』と思っていることや、性体験を得ることについて、社会や世間、自分の家族からはどのような反応がありましたか?」という問いには|。「障がい者(身体不自由)は性行為をしない、できないという認識の方が多く、驚かれる」「障がい者は聖人のように扱われることもあって性がタブーなイメージで話される」などの回答がありました。

思うように外出できないことから、性に興味がないと思われてしまうこともあるそうです。

「性のバリアフリー」には技術的にも心理的にも様々な課題があります。同時に可能性とニーズが無限大にあると思います。そうした思いを共有した上で、リアルやリモートでの交流の場や、商品開発に生かすことができればいいですね。

  • はてなブックマークに追加

この記事のライター

工藤 まおり

工藤 まおり

フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。


RECOMMEND

-AD-