「澄み切った心」になるための方法

2022/02/15

俺活入門20220128/

「どうですか? 今の景色、そして充実感は?」

この問いに、某一流企業の50代の部長は語気を強めて返した。

「心が晴れる時は1秒もないですよ。つらいです」

30代で脱サラした筆者は、一流企業で働いてきた彼の輝かしいキャリアに耳を傾けるつもりだったが、彼の心は濃霧で覆われていた。「部下が成果を上げない」「数字が達成できない」「役職定年が不安」「事業部がこのまま続くのだろうか」「妻ともうまくいかない」…。そこからは、お悩み相談タイムとなった。


■ここ10年、思い出がない、記憶がない!

また、こんなことをこぼす部長職もいた。「一生懸命頑張ってきたけど、ここ10年、何の思い出も残ってない。記憶がない」。

筆者も会社員時代や独立後、似たような時間を過ごしたことがある。それは決まって「やらされ感」を感じながら仕事と向き合っていた時だった。

「劣悪な人間関係の中で仕事をした時」も「報酬に見合わない仕事をした時」もそうだった。心にモヤがかかった状態で仕事に向き合うと、何も記憶に残らなかった。その間は「自分の人生」を生きてはいなかったようなものだ。「心の霧」は、できるだけ晴らさないといけない。


■心が澄み渡れば正しい判断ができる

目の前の仕事を投げ出すことは難しい。しかし、休日にいったんすべてを忘れ、心の霧を取り去ることなら挑戦できる。

心が澄み渡れば「人に優しくなれる」「人生にとって必要なことがわかる」「思い出に残る時間を刻める」「病気の原因を遠ざけられる」「問題を俯瞰で効率的に解決する方法が見えてくる」など、バランスのとれた正しい判断ができるようになる。

24時間365日、心を澄み渡らせることは難しい。しかし、週に3時間でも5時間でも、その状態を確保できれば、人生にとって「正しい時間」が刻まれる。


■「自分が楽しい、他人も楽しい」で心は澄み渡る

心が澄んでいる状態とは、例えば「受験に合格した時」「結婚した時」「出産した時」「スポーツの試合で勝った時」「マラソンで走りきった時」「仕事で目標達成した時」のような状態を言う。

このような瞬間を意図的につくるには、「前後裁断」をして前のことと後のことを一切考えず、無我没頭する状態になる。加えて大事なのは、必ず自分以外の誰かとその状態を共感しあうということだ。

私の場合、交流会を毎週主催し「奉仕の時間」をつくった。その結果、その時間は澄み切った気持ちになり、多くの正しい決断、友人、そして思い出を得た。

そんな「自他共幸」の時間をつくることで、成果も思い出も得られる生き方が手に入った。ぜひ、あなたも試してほしい。

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この記事のライター

潮凪 洋介

潮凪 洋介

エッセイスト・作家。著書累計70冊、168万部。「男の色気のつくり方」「もういい人になるのはやめなさい」「バカになれる男の魅力」「アナザーパラダイスの見つけ方」「自分の壁の壊し方」など。大人の海辺の社交場「芝浦ハーバーラウンジ」をプロデュース、累計7800人が参加。ライフワーククリエイト協会を設立、「会社でも家でもない”サードプレイス“で好きなことでライフワーク起業しよう」をテーマに講座を実施。


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