20畳の部屋に拡散できるアロマディフューザーで心を癒やす
電車内で香水の強烈なニオイを発する若い女性が増えているのはコロナで嗅覚が失われたのか、マスク生活でニオイ感覚が鈍ったのかだろう。昔は強烈な香水をつけるのは中高年女性だったのに変わったものだ。
古代エジプトではミイラを作るときに香料を防腐剤に使ったり部屋で香りを楽しんでいた。日本へは奈良時代の仏教伝来時に伝わり平安時代に貴族のたしなみの芸事となり、室町時代に足利義政が香木を焚きその香りについて感性や文学詩歌と結びつけ香道を確立させた。香道は西洋が香りを液体化して16世紀末に香水を誕生させたのとは対照的な文化だ。
植物や果実から採取した精油(エッセンシャルオイル)に含まれる薬効成分が人の自然治癒力を高め心を癒やしたり、体や肌トラブルを改善することから1930年ごろにフランス人調香師で香料研究家のルネ・モーリス・ガットフォセがアロマ(芳香)とテラピー(療法)とを組み合わせアロマテラピー(英語だとアロマセラピー)とした。日本には1980年代に入ってきたが、今では消費者の関心も高くいろんな製品が出回っている。
自分だけのアロマを楽しむにはディフューザーという器具が必要だが、アットアロマ(www.at-aroma.com)というアロマ製品の開発から多くの会社や商業施設で香りのある空間デザインをしている会社の製品でいいものを見つけた。多くの製品の中から選んだのが写真の「ONE」という最大拡散範囲が20畳のコードレスタイプ。
ディフューザー本体(直径75ミリ、高さ113ミリ)、充電用USBケーブル、ドロッパーオープナー(精油ボトル用開栓器具)付きで税込9900円。写真右の噴霧ノズルに別売りのアロマオイル(10ミリリットル)を取り付け、本体上部中央に差し込むと香りが拡散する。軽量(280グラム)で好きな場所に置けるのがうれしい。
アロマオイル(精油)は、日本の自然が育んださまざまな植物の花や葉、木、果実などから抽出された100%天然ものが1870〜3520円で80種余もそろっている。感覚を心地よく刺激する、日常の喧騒を忘れさせる、清涼感が立ち上る、快適な眠りをサポート、スッキリとした頭で物事に集中できる…といろいろな効能の中から自分好みの香りを選び、部屋で思う存分楽しんではいかが。
■執行雅臣(しぎょう・つねおみ)
ファッションジャーナリスト。福岡県出身。中央大学卒業後、文化出版局入社。『装苑』『ハイファッション』『MR・ハイファッション』などの編集長を経てフリーに。毎日の街歩き情報をブログameblo.jp/3819tune1224/)でつづっている。
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