人付き合いが苦手な人が自分を取り戻す「極意」

2021/12/26

俺活入門20211203/

講演などで「会社と家以外の場所で、好きで得意なことをする俺活(おれかつ)を実践しましょう。そして仲間を増やしましょう」と話すと、「いまさら人付き合いは面倒くさい」という声が返ってくる。

たしかに、人付き合いが苦手な人にとって、50歳を越えての新たな出会いはストレスにもなりかねない。そこで今回は、人付き合いが苦手な50代以上の人のための「俺活の極意」をお伝えしたい。


■バイク・山登り・釣りは誰とも話さなくていい

「山登りは最高! 誰とも話さなくていいからね」と笑うのは、某旅行会社の50代の部長さん。人付き合いが苦手な理由は「口下手」だから。彼は複数の俺活をしているが、人と話さなくていいレジャーばかり。彼のSNSには、山登り、バイク、釣りの写真が満載だ。


■「自分のリズム」で時を刻む幸福感

“ソロ俺活”の強みは、すべて自分のペースで時を刻めること。好きな時に好きな場所に行き、何も我慢する必要がない。価値観を押し付けてくる人の話を聞いてるフリをする必要もない。

自分の好みで24時間を埋め尽くしてみると、くよくよ悩んでいたことがどうでもよくなる。「ほったらかす勇気」がわいてくる。すると、大きな課題に対しも、感情に流されない理性的な判断ができるようになる。


■体験を話すだけならストレスはない

前述の山登り・バイク・釣り好きの50代男性は「人と話すのが嫌い」と言いながら、同窓会的な集まりには必ず顔を出す。しかも、かなりの長時間、会話を楽しむのだ。

「バイクは何に乗ってるの?」「どこまで行くの?」「釣った魚はどうするの?」「魚、さばけるの?」「山登りの後は温泉入るの?」…。

みんなから質問攻めにあい、一つ一つ丁寧に答える。話術はないが、コンテンツが面白いので、みんな静かに聞き入る。彼はストレスどころか、かなりご満悦だ。


■孤独に毒されない「ソロ俺活」があった

孤独は簡単に人を壊す。内面が屈折し、被害妄想が強くなり、世を憂い、周囲にケチをつける。孤独の被害者は周囲も不快にするのだ。

しかし、1人で楽しく体験したことをSNSに書いたり、興味を持った人に話すことができれば、その心配はない。人と共感し合うことで「孤独病」は免れる。


■今すぐ俺活を

58歳で他界した父の年齢に、私もだんだん近づいてきた。役職定年後の父がどうだったのか? 母によると、「早く家に帰ってきて、ひとりで英会話に行ったり水泳に行ったりして楽しんでたよ」という。

役職定年前の父は、家と会社以外にサードプレイスを持っていなかった。だから「ひとりで英会話や水泳に行く」のが精一杯だったのだろう。

しかし、父は俺活を始めた直後にこの世を去ってしまった。それでも、葬儀には会社の人以外にプール仲間や英会話仲間が多数来てくれた。父の人生の景色が会社一色でなくてよかったと思う。

何が起こるかわからないのが人生。明日は我が身。私たちも、いつどうなるかわからない。だからこそ、できるだけ早く俺活を始めたい。

  • はてなブックマークに追加

この記事のライター

潮凪 洋介

潮凪 洋介

エッセイスト・作家。著書累計70冊、168万部。「男の色気のつくり方」「もういい人になるのはやめなさい」「バカになれる男の魅力」「アナザーパラダイスの見つけ方」「自分の壁の壊し方」など。大人の海辺の社交場「芝浦ハーバーラウンジ」をプロデュース、累計7800人が参加。ライフワーククリエイト協会を設立、「会社でも家でもない”サードプレイス“で好きなことでライフワーク起業しよう」をテーマに講座を実施。


RECOMMEND

-AD-