「何のために生きてるか問題」をどうするか…

2023/07/04

俺活入門20230519

先日、学生時代の50代の友人たちの集いで、大手企業勤務の男性がこう尋ねた。「『何のために生きてるか問題』、みんな、どうしてる?」。すると堰を切ったように「あ、それね」「わかる、わかる」と、メンバー全員が自虐的な笑いで盛り上がった。俺活世代の多くは積極的には語らないが、全員がこの「何のために生きてるか問題」を抱えている。

■社会的責任は果たしてきたが…

仕事の結果を一所懸命に出し、部下を育て、家族を養い、やるべき責任は果たしてきた。でも、何かが足りない。

1秒1秒がかつてのような“本番時間”ではなく、なんだか“暇つぶし時間”に思えてしまう。50代以上のおじさんはなぜ、こんな抜け殻になってしまうのだろうか?

■自分の体ではないような虚無感

「何のために生きてるか問題」を考え始めると、体に違和感を覚えることがある。『自分の体であって、自分の体のようではない』『自分の考えのようであって、自分の考えではない』…。魂が半分抜けたように自分自身を見つめてしまうのだ。こんな“ソフトゾンビ”にはなりたくない。

■すべてはどうせ消えるという“投げやり感”

なぜこのような思考になるのか? それは、すべては消えてなくなるという諦めのせいだ。

「積み重ねたキャリアは消えてなくなる」「若き時代の友情も忘れ去られる」「夫婦関係だっていつか灰色になる。離婚するかもしれない」「わが身もいつか消えてなくなる」

私たちはこの諸行無常を少なからず日々感じ取りながら生きている。若い頃には抱かなかった、人生への小さな“投げやり感”である。

■「何の為に生きてるか問題」を笑いに変える

しかし、毎日をそんな気持ちで生きていくのは、なにより命がもったいない。どうせなら、人生を楽しくしたい。

ここであえて、「何のために生きているか問題を明るく話す」という遊びをしてみよう。「また今週も、1回も腹の底から笑わなかった。何のために生きてるかわからんわ!」「また今週も、誰にも感謝されなかったよ」「また今週も、食欲を満たしただけで、命を浪費した」

気の置けない友人と言い合ううちに、だんだんクスクス笑えてくる。自信満々に見えた自分や他人がしょぼくれて見え、同時に愛着が湧いてくるはずだ。

    ◇

どんな人でも、「自分が何のために生きているのか」という問題は等しく降りそそぐ。それに一喜一憂せず、それをあっけらかんと酒のつまみにできるメンバーと集いたい。自分の気持ちをカミングアウトしてみたら、心がすっきりして、「問題」を解消する新しいヒントをもらえるかもしれない。まずは、一番近しい人に「何のために生きているか問題、どうしてる?」と笑顔で問うことから始めてみよう。






  • はてなブックマークに追加

RECOMMEND

-AD-