オジさんも夏はTシャツだ!でも、着こなすのは案外難しい

2022/08/11

男の身だしなみ20220715

夏の人気アイテムといえばTシャツ、下着だったものが夏場には上着となったが、いまだに下着でもあるという稀有な存在だ。

現在のTシャツの原型が誕生した年を明らかにしたのが、ニューヨークでジャーナリストとして活躍された浜田容子さんで、アメリカ海軍図書館で「ライトウエイト、白のコットンのアンダーシャツで脇を覆う程度のショートスリーブ」というユニホーム規定を見つけ、それまでタンクトップだったものが今のT字形シャツとなったのが1913年と判明した。

陸軍がまねて採用したのは太平洋戦争末期で、ベトナム戦争時のジャングル戦では白だと目立つのでオリーブ色になった。

戦争を終えた帰還兵たちが街中でTシャツを着ていたが、普通の人たちも着るようになったきっかけは1951年の「欲望という名の電車」のマーロン・ブランドと54年の「理由なき反抗」のジェームス・ディーンのTシャツ姿だった。アメリカが元気だった50年代だけに、その波及効果大で世界中に広がった。

またTシャツは白いキャンバスと考えた人は多く、メッセージや広告を伝えたりとさまざまな使い方をされているし、今は各都市でもあるが「I love New York」はその先駆けといえる。

2003年から毎シーズンたくさんのアーティストのグラフィックTシャツを展開しているユニクロ(www.uniqlo.com)の「UT」は1枚1500円と買い求めやすいし、選ぶことで自分の個性などを表現できるのも魅力だ。発売20年を記念してアーカイブの中から18柄が復刻(写真はその一部)発売されている。

身近なものだが着こなすのは案外むずかしい。白無地はジムで鍛えている人に任せないと単なる下着にしか見えない。おなかが出ている人は濃色を選び、1、2サイズ大きめにするとおなかが目立たない。柄や文字が胸の上部にあるものを選ぶと、女性がイヤリングやネックレス、ブローチなどで体形から視線をそらすのと同じテクニックで、活用したい。

カジュアルシャツを上に着るのも手だが、ボタンを留めずにジャケット感覚で着て若さを演出しよう。Tシャツの外だしは裾がお尻を覆うようなら見た目が悪いと判断しては。私のTシャツはアウター→インナー→雑巾や靴みがき布という運命をたどっておしまいになる。


■執行雅臣(しぎょう・つねおみ)

ファッションジャーナリスト。福岡県出身。中央大学卒業後、文化出版局入社。『装苑』『ハイファッション』『MR・ハイファッション』などの編集長を経てフリーに。毎日の街歩き情報をブログameblo.jp/3819tune1224/)でつづっている。

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