中高年女性向けフェムテックを「おばテック」と呼ぶのはちょっと…
女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる製品やサービス「フェムテック」が脚光を浴びる中、最近はおじさん版フェムテックと呼ばれる「おじテック」という造語も誕生したそうです。
広報的な観点で見ても、新しい「○○テック」を作り、世間に発表したいという気持ちが痛いほどわかります。なので、きっと今後も覚えられないくらいの「○○テック」という言葉が誕生していくのでしょう。
ちなみに、この「おじテック」の分野では、尿漏れパンツなどが販売されているそうです。2036年には人口の3人に1人は65歳以上の高齢者になります。シニア世代の需要を見込む製品が、続々と生まれることは間違いありません。きっと「おじテック」という新しい分野の市場規模は拡大していくのでしょう。
そこで気になるのが、今後「おばテック」という存在が誕生するのかどうかです。
個人的な意見としては「おじテック」はアリでも、「おばテック」は誕生しない気がします。「イケおじ」という言葉がある中で、「イケおば」なんて言葉はなじみません。美しい中年女性のことは「美魔女」と呼び、もはや人間ではなく魔女の領域になっています。
こういう言葉からも、女性は若いうちが花でその後は枯れていくだけという世間一般のイメージを持つ「おばさん」という言葉に強く抵抗を感じているのだと思います。10年前、初めて大学生で塾講師のバイトをしていたとき、親に連れられ居酒屋にいた子供が私を見て「おばさんだ!」と叫び、大変傷ついたのを今でも覚えています。
年を重ねることにはうれしい気持ちもありますが、「おばさん」という言葉は、まだどうしても受け入れられません。もっと良い言葉はないのでしょうか。
「あなたにおすすめのおばテック商品があるよ」なんて言われたくありません。ならば、生涯「フェムテック」のままでいいような気もします。中高年女性向きの「〇〇テック」という良い言葉はないものでしょうか。
この記事のライター
工藤 まおり
フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。
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