「女性蔑視」と髙テストステロンは真逆の立場

堀江メソッド2023年3月8日

ニュージーランドの新首相、クリス・ヒプキンス氏が1月22日の与党・労働党の議員総会の演説で、前首相であるジェシンダ・アーダーン氏が在任中に受けた誹謗中傷や脅迫について強く非難。「ごく一部のニュージーランド人」がアーダーン氏への攻撃に関わっていると述べ、「こうした行為はニュージーランドを象徴するものではない」と弁明しました。

アーダーン氏は2017年、37歳の若さで首相に就き、翌年に産休を取得。働く女性リーダーとして世界から注目されました。ところが、その後、ミソジニー(女性嫌悪、女性蔑視)による中傷や脅迫が増え、今年1月、「力尽きた」の発言とともに辞意を表明しました。

ミソジニーは昔から続く社会制度から生まれたと考えられています。ひとつは、古代ローマ時代の「家父長制」です。一家の長である男性が家族に対して絶対的な支配権を持つ社会制度で、これが現代にも影響していると考えられます。

日本でも江戸時代の「家制度」が影響を及ぼしています。そのため、1986年に施行された男女雇用機会均等法には以下のことが定められています。

・募集・採用の条件を男女で異なるものとしてはいけない

・採用選考において、能力・資質の有無等を判断する方法や基準について男女で異なる取り扱いをしてはいけない

・募集・採用に当たって男女のいずれかを優先させてはいけない

・募集・採用に当たって、労働者の身長、体重または体力を要件としてはいけない

・女性にだけ子供が生まれた場合の就業継続意思を質問するなど面接時の質問で男女の性別の違いで特定の質問をしてはいけない

ミソジニーは女性蔑視や女性嫌悪と訳されるため、「自分は大丈夫」と思うかもしれませんが、「自分は男だから…」とか「女性は女性らしく」のように潜在的にミソジニーを抱いている人はまだ多くいそうです。

ただし、ここで強くお伝えしたいのは、テストステロンが高い男性=ミソジニストではない、ということです。テストステロンが高い男性は公平性を持ち、コミュニケーション能力や判断力が高く、目標達成への緻密さを備えるなど、優秀なリーダーの資質があります。つまり、性別に関係なく能力や人格を公平に評価し、待遇も性別関係なく判断できるのです。女性の同僚の活躍を心から讃えることもできます。

逆にテストステロンが低い男性は公平性に乏しく、小さいことをクヨクヨしたり、他人の評価が気になったり、自分より活躍する人に嫉妬したりとネガティブな感情を抱きやすい傾向があります。そういう人がミソジニーを潜在的に持っている場合、どこかでそれが爆発し、女性蔑視の発言や誹謗中傷のSNS投稿などをしてしまうことが考えられます。

【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。

【堀江メソッド】

性ホルモンの影響で女性と男性の体つきや脳の働きなどに違いがあることは確かです。しかし、どちらかが劣っているということではありません。優秀なリーダーは性別に関係なく、部下の個性や能力を見極めて評価や配置ができます。多くの男性が日頃からテストステロンを意識すれば、ミソジニーのない社会を作れると思います。




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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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