納豆・大豆はテストステロンを増やす?今日からできる自分磨き

納豆・大豆はテストステロンを増やす?今日からできる自分磨き

「納豆がテストステロンを増やすのに良い」と聞き、本当かなと疑問に思う人もいるかもしれません。実は納豆は、テストステロンの増加が期待できる食べ物の一つです。

その理由はビタミンKと納豆菌にあります。ビタミンKはその一部が腸内でメナキノン(MK-4)という化合物になり、テストステロンの増加をサポートするのです。加えて納豆菌は腸内フローラを整え、腸の働きを整える効果が期待できます。

つまり納豆は、テストステロンを増やす仕事と、テストステロンを増やすためのメンテナンスを同時にできる食材なのです。しかし、一方で「納豆はテストステロンを減らす」とする研究結果もあります。そのため、テストステロンの増加をサポートする食べ物を広く把握し、摂取するのがおすすめです。

今回はテストステロンと納豆の関係、テストステロンを増やす食べ物について、論文をベースに詳しくご紹介します。

納豆はテストステロン値を高める?下げる?

納豆はテストステロン値を高める?下げる

納豆は、テストステロン値を高める食品です。しかし、なぜ納豆なのか気になりますよね。その理由は納豆に含まれるビタミンKにあります。

納豆がテストステロンを増やすのに良い理由と、1日に摂取しておきたい目安量をご紹介します。

納豆に含まれるビタミンKがテストステロン値を増やす

納豆は、テストステロンを増やすビタミンKを含んでいます。2018年に東北大学の駒井三千夫教授の「ビタミン Kの新規機能の解明に関する研究」で、その働きが紹介されました。

研究報告では「VKの摂取量に応じた精巣中と血漿中のテストステロン濃度をまとめてみると,VKが欠乏するほどその濃度が低下していることが分かった」

「以上のようにして,最終的にMK-4はin vivoおよびin vitroの両方の系でテストステロン生合成を促進させることを初めて明らかにした」と記載があります。
(参考文献:ビタミンKの新規機能の解明に関する研究

ビタミンK(VK)の一部は、腸で消化・吸収される途中でメナキノン(MK-4)という化合物に変換されます。そのMK-4が、精巣でテストステロンの生合成を促進させるのです。

つまりビタミンKを多く含む食品であれば、テストステロンを増やす効果が期待できるというわけです。

加えてビタミンKを含む食材の中でも納豆が重要な理由として、納豆菌の存在が挙げられます。納豆菌は腸内フローラの餌になり、整腸作用を発揮。ビタミンKをMK-4に変換する腸を理想的な状態に整え、よりテストステロンを増やしやすい体作りをしてくれるのです。

大豆イソフラボンがテストステロン値を下げる場合も

上記のように「納豆はテストステロンを増やすために良い」とする研究報告がある一方で「大豆製品はテストステロン量を下げる」と結論付けた論文もあります。

独立行政法人国立健康・栄養研究所が閉経後の女性を対象にし、イソフラボンカプセル+FOS、イソフラボンカプセル+ショ糖を投与し研究をしました。研究結果には以下の記載があります。

「テストステロンは、Eq産生者が非産生者に比べて低値を示した。試験開始2週間目では、Eq産生者においてテストステロン濃度が低下傾向を示した」
(参考文献:イソフラボン代謝産物に着目した骨粗鬆症の予防に関する研究

Eq(エクオール)とは、大豆に含まれる大豆イソフラボンを元として作られるポリフェノールのこと。MK-4と同様、腸内細菌によって生成されます。このエクオールは産生できる人とできない人がおり、40代以下で産生できる人は20〜30%しかいません。

この研究ではエクオールを作れる人(エクオール産生者)と作れない人(非産生者)が同じ条件で大豆イソフラボンを摂取したとき、産生者の方がテストステロン値が低くなることが確認されました。

そうなると、自分がエクオール産生者か気になるところですよね。産生者かそうでないかは「エクオール検査ソイチェック」という簡単な尿検査で確認できます。

納豆を食べるなら毎日1パック以上を継続して取ろう

納豆を食べてテストステロンを増やしたい場合、何グラム程度を目安にするべきでしょうか。大量に食べねばならないとなると困りますよね。しかし、テストステロンを増やすためなら、1日1パックの摂取で十分です。

成人の1日のビタミンK摂取目安量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では150μgとされています。しかし、上記で紹介した駒井教授の出したテストステロン増加材の国際特許出願では以下の記載があります。

「本発明のテストステロン増加材をサプリメント、機能性食品、健康食品または一般の食品に用いる場合には、安全性を考慮して、成人男性一日あたりのビタミンKの摂取量として、10μg~30mgが好ましく、50μg~6mgがさらに好ましい」
(参考文献:AGENT FOR INCREASING TESTOSTERONE LEVEL

1mgは1000μgを表します。つまり6mg=6000μgとなる計算です。数値に非常に大きな幅がありますが、テストステロンを増やすなら150μ~6mgの範囲内に収めるのが良いと考えられるでしょう。

納豆1パックに含まれるビタミンKの量は300μg(糸ひき納豆50gの場合)なので、1日1パック食べるだけで十分と言えます。朝食や夕食時に、納豆を追加して食べるようにしてみましょう。

テストステロンを高めるにはビタミンKが重要

テストステロンを高めるにはビタミンKが重要

ビタミンKがテストステロンを増やすのに効果的なのは上述の通りです。しかし、納豆の他にもビタミンKを多く含む食品はたくさんあります。

この項目では、納豆以外にも摂取したい食品やその効果的な摂取方法についてご紹介します。

テストステロンを確実に増やすなら大豆製品以外をチョイス

上述したとおり、ビタミンKを含む食品はテストステロンを増やす働きがあります。

しかしエクオール産生者は、納豆や豆腐といった大豆製品を摂取するとかえってテストステロン量を減らしてしまう場合もあります。

そのため、テストステロンを確実に増やすためには大豆製品以外でビタミンKを摂取するのが安心です。大豆製品の他に、どの食品に多くビタミンKが含まれていて、それぞれどれくらいの含有量なのかご紹介します。

ビタミンKを含む食品

ビタミンKは葉物野菜に多く含まれています。文部科学省の公表している「食品成分データベース」には、100gあたり以下の含有量であると記載されています。

食品名 状態 ビタミンK量
ブロッコリー ゆで 190μg
小松菜 ゆで 320μg
モロヘイヤ ゆで 450μg
ほうれんそう ゆで 320μg
にら 油炒め 220μg
キャベツ 78μg

(参照:食品成分データベース

特にモロヘイヤに多く含まれており、34g食べれば1日の目安量分を摂取できる計算になります。モロヘイヤや小松菜のおひたしを冷蔵しておき、食事に1品添えたり、ブロッコリーにマヨネーズを付けて小腹が空いたときに食べたりすると良いでしょう。

また葉物野菜以外に、以下の食品もおすすめです。

  • 肉…鶏もも肉・皮付き;62μg、鶏・手羽皮付き:70μg
  • 海藻…乾燥わかめ(カットわかめ:1600μg)(板わかめ:1800μg)

食事の好みやメニューに合わせて、1品付け足してみてください。

ビタミンKを効率的に摂取するには

ビタミンKは脂に溶けるビタミンなので、野菜炒めやマヨネーズなどで油と一緒に取るのがおすすめです。油分と一緒に取って、吸収しやすいようにサポートしてあげましょう。

さらにビタミンKの骨を丈夫にする効果を考えるなら、ビタミンDを含む食材を一緒に食べるのもおすすめです。特に体つきが大きく変化する成長期を迎えたお子様の食事では、気をつけてあげるのもポイントです。

ただしビタミンDは過剰摂取すると過剰症として溶血性貧血や高ビリルビン血症などが起きる場合があるので、毎日継続して取る場合は、できるだけ厚生労働省の推奨している150μgを意識するようにしましょう。

テストステロンのために腸内環境を整える

テストステロンのために腸内環境を整える

ビタミンKをMK-4へ変えるには、腸内環境が整っていることが重要なポイントです。その理由と腸内環境を整えるのにおすすめの食品をご紹介します。

腸内フローラの重要性

腸内フローラは、ビタミンKからMK-4を生成するために重要な細菌群です。その他にも、免疫機能に大きく影響する重要な細菌でもあります。

理想の体作りのためだけでなく、日々を健康的に過ごすためにも腸内環境を整えておきたいもの。しかし「腸内フローラを整える」といっても、具体的に何をすればよいでしょうか。

今日からすぐに実行できる2つのポイントをご紹介します。

【ポイント1】善玉菌のエサになるものを一緒に食べる

人は食事を取らなければ元気が出ず、思うように仕事をこなせませんよね。それと同じように、腸内にいる細菌たち(善玉菌)が元気に働くためには十分なエサが必要です。

善玉菌がエサとするのは、食物繊維やオリゴ糖など。こうした栄養のある野菜、いも、豆、果物を積極的に取るようにしましょう。

水溶性食物繊維を多く含む食品には、いんげん豆、干しいちじく、干しプルーン、ごま、納豆、豆腐、切り干し大根、ライ麦粉などがあります。

オリゴ糖は豆類、玉ねぎ、ごぼう、アボガド、バナナなどに多く含まれています。干しいちじくや干しプルーン、バナナをヨーグルトに添えて食べる、玉ねぎとインゲン豆をたっぷり入れたカレーを食べる、といったメニューもおすすめです。

【ポイント2】自律神経を整える

腸は、自律神経(交感神経・副交感神経)の働きによってコントロールされています。そのため、正常に働かせるためには自律神経を整えることが重要です。

オン・オフを切り替え、ベッドの中でスマホをいじらない、お風呂にゆったり浸かるようにする時間を作る、など意識してリラックスするようにしましょう。

まとめ

テストステロンを増やすために、納豆や豆腐といった大豆製品は効果的です。しかし一部の人にとってはかえってテストステロンを下げる可能性があるため、万人におすすめとは言えません。

そこでおすすめなのが、納豆以外にビタミンKを含む食品、葉物野菜や鶏肉などを摂取すること。加えて腸内環境を整える食事を心がければ、テストステロン値の増加が期待できます。

他にも卵に含まれるコレステロールやビタミンD、牛肉に含まれるタンパク質や亜鉛、アーモンドに含まれるビタミンEなどが、テストステロンの合成に必要な栄養素です。

これらの食品をバランスよく摂取することで、テストステロンの増加効果が期待できます。ただし、過剰な摂取は逆に健康に悪影響を与えることがあるため、適量を守って摂取することが大切です。


ぜひ今日からテストステロン分泌のサポートとなる食生活を意識して取り掛かってみましょう。

  • 参考文献
    ・厚生労働省 日本人の食事摂取基準 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
    ・骨粗鬆財団 ビタミンDを多く含む食品・ビタミンKを多く含む食品 https://www.jpof.or.jp/Portals/0/images/publication/leaf_02_181003.pdf
    ・ビタミンK過剰症と過剰摂取による症状と健康影響 https://vitamin.e840.net/v151700.html
    ・大塚製薬 食品に含まれる食物繊維量一覧 https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/foods-amount/
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