コーヒーはテストステロンを高めるのか?

堀江メソッド筋トレ20230315/コーヒー・イメージ

皆さんの中には、仕事や生活の中にコーヒーブレイクが欠かせないという人も多いと思います。

コーヒーの起源はエチオピアと言われています。カルディという名前のヤギ飼いが、ヤギがコーヒーの実を食べると興奮することを発見。その後、眠気覚ましの効能があると知られ、広まったそうです。

アフリカや中東では古代から飲まれていましたが、日本での歴史は浅く、江戸時代の長崎・出島にオランダ商人が持ち込んだのが始まりとされています。

今回はそのコーヒーがもたらす健康やテストステロンへの効果を紹介します。

コーヒーに含まれる成分の代表はカフェインです。ラグビー選手にカフェイン入りのガムを運動前と運動の合間に摂取させ、血中テストステロン濃度を調べたランダム化比較試験があります。それによると、カフェイン入りのガムを噛んだ選手の15分後の唾液中テストステロン濃度は、カフェインを含まないプラセボのガムを噛んだ選手よりも70%も増加していたそうです。

カフェインと性機能の関係についての研究結果はまだありませんが、カフェインでテストステロンが上がるということは、性機能にも好影響を与えるのではないかと期待できます。

カフェインが人に与える作用としてよく知られているのは覚醒作用です。人は疲労がたまると体内のヒスタミンという覚醒物質の放出が抑えられて眠気を感じるようになります。カフェインにはヒスタミンの放出を維持する作用があるため、覚醒状態の維持を助け、眠気を防止してくれます。

ちなみに、緑茶にはコーヒーよりもカフェインが多く含まれていますが、同時にテアニンという興奮を抑える物質も含まれているため、覚醒効果ではコーヒーに軍配があがります。

カフェインは他にも、利尿作用によるむくみの改善、血流の改善、エネルギーを熱に変換することで体脂肪の増加を抑える、といった働きがあります。

ただし、カフェインの摂取量には気を付ける必要があります。摂取しすぎると胃の不調や眠気の妨げなどが起こり、テストステロンを下げてしまいます。適正な量としては1日400ミリグラム以下、コーヒーカップ3~4杯程度であれば健康への悪影響は生じないと言われています。

カフェインの他にも、コーヒーにはカカオや赤ワインなどに含まれるポリフェノールの一種、コーヒーポリフェノールが豊富に含まれています。コーヒーポリフェノールは強い抗酸化作用を持っており、免疫機能の低下や動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立ちます。ポリフェノールにはいくつかの種類があり、ED(勃起不全)の改善が期待できるレスベラトロールや、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするイソフラボンもポリフェノールの一種です。

【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。

【堀江メソッド】

日本で人口当たりの喫茶店密度が一番高いのは、意外なことに青森県弘前市です。城下町・弘前に根付く「コーヒー文化」は、そもそもが寒さ対策。また、弘前には病院や学校が多く、医師や教師などのホワイトカラーがカフェを支えたとも言われています。おいしいコーヒーを求めて知らない場所を訪れるカフェ巡りも“冒険のホルモン”であるテストステロンを上げてくれます。



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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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