男女の褒め方には違いアリ!効果的な褒め方を伝授

堀江メソッド筋トレ20221012

テストステロンが高い優秀なリーダーでも、一人の力だけで成果を上げることは困難です。原始時代は一人で狩猟に出て、群れのメンバーを養う獲物を持ち帰ればよかったですが、現代社会では組織的な成果を上げることが求められます。

そこで悩むのが、部下のモチベーションアップ。人材マネジメント関連の書籍でも部下のモチベーションを上げるためのさまざまなメソッドが提唱されていますが、ここではとてもシンプルな「褒める」ことの大切さを紹介します。

脳の中には「報酬系」という幸福感を感じさせる神経回路が存在し、ドーパミンという物質が関与しています。このドーパミンを出すことにテストステロンが作用しています。

褒められる(=認められる、評価される)ことでテストステロンが高まり、報酬系が刺激され、ドーパミンの分泌によって幸福感を感じることで、もっと褒められたいという欲求からやる気が高まるという構図です。

ただ、褒め方には男女別に少し違いがあります。男性は、「君が一番!」「すごい!」「それは知らなかった!」など、他人より優れていることを褒められると喜びます。「ナンバーワン」であることを伝えてあげるのです。

一方、女性は「君にしか頼めない」「君が唯一の○○だ」というように、「オンリーワン」であることを伝えるほうが心に刺さります。

これは哺乳類の生殖スタイルに起因します。メスは生涯に妊娠できる回数が限られており、命をかけて出産します。一方、オスは生殖活動にかける時間が女性に比べ非常に短いですし、命の危険はほとんどありません。

その事実から考えると、メス10体に対してオスは1体いれば繁殖には事足りそうですが、なぜオスとメスがほぼ同数で生まれてくるのかというと、オス同士の競争により勝ち残った優秀な個体が生をつないでいくためです。

つまり、オスはオスとの競争に勝つことに、そしてメスは競争に勝った優秀なオスに選ばれ独占することに、本能的に喜びを感じるのです。実際、男性ホルモンのテストステロンが高い男性は競争心が強く、女性ホルモンのエストロゲンが高い女性は嫉妬心が強いのです。

逆に注意したいのが陰口です。陰口を言ってしまうと、聞いている相手からの信頼感が一気になくなります。その後、その相手をどんなに褒めても、どうせ裏では陰口を言っていると思われてしまいます。リーダーがつい口を滑らせた一度の陰口が命取りとなり、組織不全につながってしまいます。

褒める習慣がつくと、自然と褒められる機会も増えるものです。自分自身のテストステロンアップにもつながりますので、”褒め”の効果は絶大です。

【一般社団法人1UP学会】  男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。

■堀江メソッド

褒めることを実践しようとしても、どのように褒めたらよいかわからず、わざとらしくなって逆効果ではないか、と心配する人もいると思います。しかし、心配する必要はありません。“見えすいたお世辞”であっても、褒める効果は変わらないことが分かっています。

男女の違いを意識したうえで、どんどん部下を褒めることが成果を出す組織作りに有効です。


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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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