「男の声」高低がテストステロンや生殖能力と関係!?

堀江メソッド筋トレ20220914

男性が身なりに無頓着になるのは、テストステロン低下のサインかもしれません。テストステロンは男性のさまざまな生活の場面に影響しています。今回は男性の外見についてのお話です。

米ペンシルベニア大学では、243人の男性の被験者を2つのグループに分け、一方の被験者にはテストステロン入りのジェルを皮膚に塗布し、一方は偽のジェル(プラセボ)を塗布する実験を行いました。

その後、同等の品質の2つの製品を用意し、その1つには高級ブランドの商標を付けて被験者たちに選ばせたところ、テストステロン入りのジェルを塗布したグループには高級ブランドを強く好む傾向がみられたそうです。

実際、テストステロンが高く経済的・社会的に成功した男性にはブランド品を好む人が多いようです。これは、自らの美しさと健康を目に見える形で周囲に表現することで、異性からの注意を引くオスの本能に基づく行動です。

もちろん、人間の価値観は多様なため、おしゃれや美しさとブランド品は必ずしもイコールではありません。しかし、動物の場合は羽や角が立派なオスをメス選ぶ傾向が強いのはご存じの通りです。

琉球大学は、オスだけヒレが赤くなるメダカを使い、いくつかの実験を行いました。まず、ヒレが赤くならないオスに男性ホルモンを与えたところ、ヒレは赤くなりました。ヒレの赤さに男性ホルモンが影響しているということが確認されたのです。

また、ヒレが赤くないオスにはメスは引かれないこともわかりました。さらに、ヒレが赤いオスの方が外敵から目立つにも関わらず、捕食者のサヨリはヒレが赤くないオスを捕まえようとしたそうです。つまり、メスは“オスらしいオス”を選び、外敵は“弱そうなオス”を狙うのです。

人間の場合も、テストステロンが高い男性は服装や髪型に気を使う人が多いようです。筋トレやダイエットにも熱心です。美しい体型と健康、強さを表現することで、女性から好かれるのと同時に、ライバルの男性たちをある意味威嚇しているのかもしれません。

ちなみに、テストステロンが高い男性は文字盤の大きな腕時計や大きな車、大きなバックルのベルトなどを好む傾向もあるようです。

声に関しても興味深い研究結果があります。米マクマスター大学のデビッド・フェインバーグ氏はタンザニアの狩猟採集民族の男性の声を録音し、高低を分析しました。その結果、低い声の男性ほど多くの子供を持っていることが分かりました。変声にはテストステロンが大きく影響していますので、声も異性への魅力や生殖能力に関係しているようです。

【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を東京都千代田区の日比谷国際クリニック(http://www.hibiyakokusai.or.jp)で実施している。


【堀江メソッド】

バリバリ仕事をしていた男性が引退すると、途端にテストステロンが低下してしまうことがあります。そのような場合、おしゃれに努めることでテストステロンを上げることができます。おしゃれをすると自信を持てますし、積極的に外に出たくなります。髪形を整え、好きな洋服を着て外出し、たくさんの人とコミュニケーションを取ることが大切です。

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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