女性の体や職業にも大きな影響を与えるテストステロン

堀江メソッド筋トレ20220119/イメージ

テストステロンは男性ホルモンなので女性には関係ない、と多くの女性は思っていることでしょう。しかし、女性でもテストステロンは作られます。実は女性の中のテストステロンは女性ホルモンであるエストロゲンの10倍も多くあるのです。

男性と同じく、女性の中でもテストステロンの高さは個人差があります。中には男性の平均値を上回るテストステロンを持っている女性もいます。

一般にテストステロンが高い女性は高齢になっても筋肉量や骨密度が保たれる傾向があります。また、テストステロンが低い女性は不安神経症やうつ病になりやすいことが知られています。

この連載でたびたび述べてきたように、テストステロンは「リスクを取る冒険のホルモン」です。女性も、テストステロンが高い人ほどアグレッシブな性格になり、リスクが高くてもリターンが多い職業に就く傾向があります。

ただ、テストステロンが多ければ多いほど良いというわけでもありません。PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は女性のテストステロンが異常に高くなる病気です。卵巣でテストステロンが過剰に作られて排卵しにくくなる病気で、女性の20-30人に1人にみられる疾患です。症状として無月経や月経不順、にきび、多毛、肥満などが出現します。排卵しないため、不妊の原因となることもあります。

テストステロンの高さを知る手段は男性と同じです。人差し指と薬指を比べて、人差し指より薬指のほうが長いほどテストステロン値が高い傾向にあります。一般にテストステロンの高い女性は、まさに「男勝り」のアグレッシブさを発揮して、仕事に趣味に没頭できる人と言えるでしょう。

【一般社団法人1UP学会】

男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。


【堀江メソッド】

女性の生理周期では、排卵日付近にテストステロンは最も高くなります。テストステロンは筋肉を増やして脂肪を減らす作用があるので、筋力トレーニングで筋肉量を増やしたり脂肪を落として引き締まったボディーを作るには最適なホルモンバランスの期間です。ダイエットにも最適な時期と言えるでしょう。詳しくは『LOH症候群』(角川新書)をご覧ください。

【協力】日比谷国際クリニック(東京都千代田区)=http://www.hibiyakokusai.or.jp/

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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