ストレスでテストステロンを下げないための方法

堀江メソッド筋トレ20220105/ストレス

中学生の頃を思い出してみてください。すでにヒゲが生えた大人みたいな顔をした同級生もいれば、ゆで卵のようにツルッとした小学生みたいな同級生もいたと思います。不良タイプや優等生タイプ、体育会系やオタクタイプ…。同じ年齢の中学生でも、いろいろなタイプの生徒がいたはずです。

同じようにテストステロンの値も個人差が大きく、高い人もいれば低い人もいます。

しかし、テストステロンの値は身長のようなもので、生まれつきテストステロンが少しくらい低くても問題はありません。診断の基準となる数値はありますが、もともとLOH症候群(加齢性腺機能低下症=男性更年期障害)はテストステロンの絶対値ではなく、女性の閉経時のように男性ホルモンが「急激に下がる」ことで起こります。

平均値より低くても、若い頃から低めだったなら問題はないのです。自分のテストステロン値にあった仕事内容や環境を保てばLOH症候群になることは少ないと思います。それでは、どんなことが原因でテストステロンが急激に減り、LOH症候群になってしまうのでしょうか。

テストステロンは獲物を取って帰ってくるために必要なホルモンです。獲物がないときはテストステロンが下がります。現代社会では、新規契約数や販売額といったビジネス上の数字を伸ばすこと、昇進や新たな商品のアイデアを考えつくなど、達成感を得られることが獲物となります。つまり、仕事がうまくいっているときはテストステロンが上がるのですが、その仕事によってテストステロンが下がることも多いのです。

そして、LOH症候群になるほど急激にテストステロンが下がってしまうのは、周りの環境からのストレスが過剰であることがほとんどの原因です。

上司に叱られたり、あまりにも目標設定が高すぎる仕事などをずっと行っていると、「子孫を残すホルモン」のテストステロンより、「自分の命を守る」ために身体を緊張させて臨戦態勢にするストレスホルモンが優先されます。

ストレスの原因は人それぞれです。自分自身でストレスの原因を正確に認識することが、テストステロンを下げないための一番のコツです。

【一般社団法人1UP学会】

 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。


【堀江メソッド】

ストレスが少ない仕事でも、単純に仕事時間が長いだけでLOH症候群になりがちです。在宅勤務で単身赴任というパターンが最も危険性が高いと言えます。できるかぎりオンとオフの区別をつけて、18時以降はすっぱりと仕事を止めて延長しないことが予防になります。詳しくは私の最新刊『LOH症候群』(角川新書)をご覧ください。


【協力】日比谷国際クリニック(東京都千代田区)=http://www.hibiyakokusai.or.jp/

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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