驚きの研究結果、テストステロン高い人は「ウソがつけない」

堀江メソッド筋トレ20211201/サイコロイメージ

テストステロンはウソがつけないホルモンと呼ばれています。どういうことなのか、説明しましょう。ドイツのボン大学で行われた研究に興味深いものがあります。91人の若い男性をほぼ半分に分け、ひとつのグループにはテストステロンの塗り薬、もうひとつのグループにはプラセボ薬(偽薬)を塗って実験を行いました。

実験の内容は、サイコロを転がして、出た目を自己申告してもらい、その目の大きさに比例した額を賞金として出すというものです。自己申告ですので、実際に出た目に関係なく大きな数を申告すれば、その分、賞金の額は大きくなります。つまり不正し放題の状況でゲームの結果を記録したのです。

その結果、プラセボのグループとテストステロンを塗ったグループで明らかな差が確認できました。プラセボグループは明らかに確率よりも「高い目が出た」と申告したのに対し、テストステロングループは1から6までの数がほぼ均一に出た、と申告したのです。

つまり、プラセボグループには「実際に出た目より大きい目」を申告した人がいたが、テストステロングループはみんながほぼ正直に申告したということです。ウソをつける状況なのにウソをつかないということで、テストステロンに公平、公正を重んじる効果があるということが分かりました。

テストステロンは、社会においてどのように振る舞うかという「生き方」に非常に深くかかわっていると言えます。時には自己犠牲を伴っても大義のために行動する、自分が不利益を被っても公平性を重視する、といったことはテストステロンのなせるワザです。

テストステロンは競争心を高めますが、攻撃性や暴力とは違い、仲間や社会との協調を大切にするのが特徴です。自己の利益のために暴力に訴えたり、ケンカばかりしている人は、かえってテストステロンが低いともいえそうです。

(一般社団法人1UP学会) 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。


【堀江メソッド】

テストステロンの補充が行動に反映されることを調べた研究は他にも多くあります。毎朝起きた時や夕方以降に「なんだか気分が落ち込むな」と感じた時は『気のせいだ』とやり過ごすのではなく、テストステロンの存在を思い出してみてください。不調があまりにも長く続くならメンズヘルス外来や泌尿器科への受診も早めに検討しましょう。


【協力】 日比谷国際クリニック(東京都千代田区)=http://www.hibiyakokusai.or.jp/

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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