米国人はもうやっている!テストステロン補充療法の本当の効果とは?

堀江メソッド筋トレ20210922/マラソン大会イメージ

男性にとってテストステロンがいかに大事か、日常生活の中でどのようにテストステロン値を自力で上げていくかを考えるのが当欄のテーマですが、今回は医療としての男性ホルモン(テストステロン)補充療法について紹介しましょう。

テストステロン補充療法は泌尿器科やメンズヘルス外来で採血を行い、テストステロンが低値で症状を有するときに、医師の診断の下、受けることができます。日本では、すべての場合には当てはまりませんが注射薬が保険適応となっています。

一方「ホルモン治療の先進国」であるアメリカでは、注射剤以外にさまざまな形態の補充が行われています。例えばアルコールのようにプッシュするポンプ型や、ゲルやワセリンと混ぜた塗り薬があります。

仕事のストレスが高いときや筋肉の疲労度が高いとき、あるいは効果的なエクササイズをしたいというときに、テストステロン値を測定しながら自費診療でテストステロンの補充を行うのです。

例えば、フルマラソンを行うとテストステロンは著しく低下し、からだの故障や不調が起こりやすくなります。そこでテストステロンの値を見ながら塗り薬などを比較的少量で補充することが行われます。

アメリカのバイデン大統領やトランプ前大統領を思い浮かべてください。ともに80歳近い2人ですが、大国を導いていこうとする男性力に満ちています。男性力を高めるための技術・文化がアメリカでいかに発展しているかを物語っているようです。

ただし、注射剤は著しくホルモン値が低い患者が対象です。投与により急激に血液濃度が上がるため、活力アップという用途には使えません。

テストステロンは日内変動の激しいホルモンであるため、夕方から夜にかけて非常に低くなります。「夕方からの仕事がおっくうだな」と感じるときに、医師の指導と処方の下でテストステロンを少量補充できるようになれば、よいパフォーマンスを維持することも可能でしょう。

【一般社団法人1UP学会】 男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。

【堀江メソッド】

テストステロンは筋力増強効果が認められています。そのため、国際オリンピック委員会(IOC)はドーピング防止の禁止薬物に指定しています。しかし、これは競技の公平さの問題であって、われわれには関係ありません。ホルモン治療は、医師の指示の下、使用量を守れば、副作用も少なく安全性が非常に高い療法です。

【協力】 日比谷国際クリニック(東京都千代田区、http://www.hibiyakokusai.or.jp/)。1UP学会の連携医療機関で、日本でも数少ないゲルによる補充療法をメンズヘルス外来で提供している。

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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