良質な睡眠が「男性力」を上げる。テストステロンと睡眠習慣の深い関係とは

堀江メソッド2021年8月25日

前回はテストステロンが下がってしまう習慣や状態についてお伝えしました。運動や正しい食習慣に取り組むのは難しいと感じるかもしれませんが、「気の持ちよう」で変化できる部分でもあります。

今回は運動・食習慣に並んで重要である「睡眠習慣」について解説します。

テストステロン値は朝起きた時がピークであることを前に説明しましたが、これは夜寝ている間にテストステロンが分泌されているためです。1日の3分の1以上を占める睡眠をコントロールすることはテストステロンにとっても非常に重要なのです。では、どのような睡眠がテストステロンによいのか紹介しましょう。

■夜更かしをしない

どんな健康法でも共通ですが、夜更かしはカラダに悪い習慣です。特にテストステロンは深夜1時から3時の間に多く分泌されますので、夜更かしは大敵です=図。

また、夜更かしで睡眠時間が短くなることも悪影響を及ぼします。10時間睡眠と5時間睡眠を比べると、5時間睡眠の方がテストステロンが10〜15%下がることがシカゴ大学の研究で判明しています。

■寝付けない時の昼の行動

コロナ禍で日光を浴びる時間が減っていることは以前紹介しました。日照時間が減るとビタミンDが下がるほか、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が妨げられます。テレワーク続きの時は、30分ほどウオーキングをしてみましょう。その際には以前紹介した筋トレも忘れずに。

■夜間頻尿に注意

おしっこの回数は実はテストステロンに大いに関係しています。テストステロンが下がるとバソプレシンという、おしっこを濃縮するホルモンも下がってきます。そうすると、夜に何度もおしっこに起きることになってしまいます。

夜の睡眠が、おしっこによって阻害され、またテストステロンが下がるという“負のループ”に陥ってしまいます。当てはまる人は一度、泌尿器科に相談してみてください。

睡眠自体は自分でコントロールするのが難しいですが、睡眠前の習慣を見直したり、別の方法でテストステロンを上げて睡眠の課題を解決するなど、いくつかのアプローチが可能です。自分に当てはまる箇所をケアして質のいい睡眠をとり、男性力を上げていきましょう。


【一般社団法人1UP学会】男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。


【堀江メソッド】

睡眠を短くするとテストステロンは減少していきます。適切な睡眠をとることはテストステロンの増加に関わってきます。睡眠一つで生活習慣全体が変わってきます。運動を始められない人は睡眠を意識することも重要です。

【協力】

日比谷国際クリニック(東京都千代田区)=http://www.hibiyakokusai.or.jp/

Body Conditioning Studio Phygic(東京都港区)=https://phygic.style/

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。


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