男性の活力ホルモン「テストステロン」を「1秒」でアップする方法
前回はテストステロン値を高めるには筋肉、特に下半身の筋肉から鍛えていくのが効果的であることをお伝えしました。下半身は激しいマシントレーニングでも、緩やかなウオーキングでも鍛えられる、常に動き続ける部位です。
テストステロン値は筋トレだけでなく、精神面や普段の行動の改善でも増減することが知られています。では、逆に「テストステロンが下がってしまう行動や状態」とはどういうものなのかを今回は紹介しましょう。
■ストレスが多いと下がる
男性の場合、ストレスが高まると、睾丸がテストステロンをつくらなくなってしまいます。人間は、交感神経が刺激されて緊張すると、その危機に対して戦うか逃げるかになります。テストステロンは余裕があるときに生成されるホルモンですので、ストレスがかかると下がる傾向にあります。なるべく心に「余裕」をもって生活しましょう。
■胸が閉じていると下がる→開く「1秒」の動作だけで上がる
米コロンビア大学の研究結果によると、胸を大きく張るなど体全体をオープンな状態にすると、テストステロン値が上昇しました。
一方、胸が閉じた状態ではストレスホルモンであるコルチゾールが増加してテストステロン値が減少する傾向になったそうです。
テレワークなどでデスクワークが長くなると胸が閉じていきます。こまめに胸を張る運動をしましょう。
■子育てすると下がる
意外かもしれませんが、男性が子育てをしようとするとテストステロン値が下がることが分かっています。これはテストステロンが狩猟本能をつかさどるホルモンであることと関係しています。テストステロンは「親」としての子育てではなく、「男」として子供を守るためのホルモンだと言えます。
下がる原因が分かれば、その逆に「下げない・減らさない習慣」も見えてきますので今後ご紹介していきます。
【堀江メソッド】
テストステロンは自分がコントロールできる習慣以外にも左右される原因が多くあります。特に、過度の緊張(=ストレス)は男性ホルモンの大敵です。できるかぎり緊張をやわらげられる環境に身を置くか、緊張を心地よいものと感じる「鈍感力」を養うことも長く男性力をキープするコツです。
【一般社団法人1UP学会】
男性医療に関する最新医療技術や情報の啓発・広報活動を行う医療専門団体。テストステロン補充療法による専門外来を日比谷国際クリニック(東京都千代田区)で実施している。
【協力】
日比谷国際クリニック(東京都千代田区)=http://www.hibiyakokusai.or.jp/
この記事の監修者
堀江 重郎
1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。
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