「ハーブを楽しみながら生活に活力を」テストステロンを増やすハーブもある?

「ハーブを楽しみながら生活に活力を」テストステロンを増やすハーブもある

「ハーブについて簡単に教えて」と聞かれたら、どのように説明するでしょうか。「料理に入れる葉っぱ」「お茶にして香りを楽しむ」「できた傷口に貼る」などなど。どれも正解で、人間の生活にとって有益なことをもたらしてくれる植物がハーブです。

一方、若々しさを保ちたい男性にとって欠かせないホルモンがテストステロンです。テストステロンを増やしたいと願う人にとっても、ハーブは有益なことをもたらす存在になってくれるのでしょうか。本記事では、ハーブとテストステロンの関係について紹介していきますので、参考にしてみてください。

生活に潤いと刺激をもたらすハーブ

ラテン語で草木を意味する「ヘルバ(herba)」がハーブ(herb)の語源と言われており、古代文明が栄えていたころから、ハーブは人々の生活に浸透していました。現代の日本人の生活にもすっかり溶け込んでいます。

ミントやバジル、ラベンダーなど、おなじみのハーブも多いですよね。

ハーブとスパイスの違いとは?

1万種類を超えるとも言われているハーブですが、「薬用」「料理」「香料」「園芸」など、目的に応じて大別されています。

大航海時代以降のヨーロッパでは、自家栽培できないハーブの根や茎のほか、果実や種などは「スパイス」として重宝されてきました。アジアや中南米の各地から遠路運ばれていたのですから、身近に自生しているハーブとは違って高値で取引されたことにもうなずけます。

ただ、ハーブもスパイスも「有用植物」であることには変わりません。現在ではハーブとスパイスを明確に区切る必要性も薄れ、ハーブ的なスパイスがある一方で、スパイス的に使われるハーブもあります。

生活に潤いと刺激をもたらすハーブ

味で、香りで、そしてかれんな花を見ても楽しめるハーブですが、今度はその「薬効」にも注目してみましょう。

ヨーロッパでは医薬品認定も

ヨーロッパにおけるハーブは、古代から湿布や飲み薬として使われ、人々の生活にとって心強い存在でした。近世になると、さまざまな薬草書の広まりとともにハーブ療法も各国に浸透します。そしてEU設立後には、加盟国の間で違っていたハーブの薬効に関する基準を統一化する動きが加速していきました。

その基準をクリアしたハーブは、科学的根拠に基づいて効能が評価された医薬品として認定されています。このような西洋ハーブのなかには、日本国内でも医薬品として認可されたものもあります。

ノコギリヤシやチェストベリー

尿に関する悩みを持っている人の間ではよく知られている「ノコギリヤシ」も、ヨーロッパでは医薬品認定を受けている代表的なハーブです。

チェストベリーというハーブは婦人科系疾患に効果があり、ヨーロッパでは医薬品としてもおなじみです。日本でも、チェストベリーの乾燥エキスを配合した医薬品が流通しています。

気になるテストステロンとの関係は?

気になるテストステロンとの関係は?

自然の力が民間療法として活用され、医薬品として認可される可能性も持っているハーブ。その効能はさまざまですが、気になるテストステロンとの関係についても紹介していきましょう。

東南アジア原産のトンカットアリ

「トンカットアリ」というハーブをご存じでしょうか。サプリメントや強壮剤を利用している人にはおなじみかもしれません。

トンカットアリとは、東南アジアの伝統的なハーブで、熱帯雨林に育つニガキ科の植物です。長い年月をかけて成長する細長い木ですが、高さは10メートルにも達するといいます。

トンカットアリの強壮効果

東南アジアでは、トンカットアリの根の部分を煎じて飲むことが多く、おもに男性向けの強壮薬の役割を果たしてきました。また、分娩後の女性の体力回復に使われたり、消化不良の緩和やマラリア治療にも使用されるなど、東南アジアの伝統医学には欠かせないハーブです。

マレーシアなどでは、トンカットアリの成分が配合されている飲料やドリンク剤もあるといいます。日本国内で販売されている高麗ニンジン配合の栄養ドリンクに近い感じですね。

テストステロンを増やすトンカットアリ

民間療法として活用されてきたトンカットアリのパワーですが、それを科学的に裏付けるための研究や商品化も進んでいます。

マレーシア政府と米国マサチューセッツ工科大学の共同研究により開発されたトンカットアリ抽出物の臨床試験では、トンカットアリが精巣や副腎のステロイド産生に直接的な刺激を及ぼすことによって、テストステロンの産生が増進することがわかりました。それと同時に、テストステロンを作り出すために必要なデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の値も上昇しています。

さらに、性欲や性的パフォーマンスの改善がみられたというデータも示されています。若返りを求める男性にとっては、いいことずくめといえる結果が導き出されているのです。
(参考文献:標準化トンカットアリ根水抽出物を用いて行われた臨床試験

高齢者の健康も支える可能性

別の研究では、中国のサイクリングクラブに所属する活発なシニア層を対象に、トンカットアリの根の抽出物を補給しました。

すると、テストステロン値が上昇したことはもちろん、握力テストによる筋力アップの効果も見られました。トンカットアリには、高齢者の健康増進をサポートしていく可能性も示されたというわけです。
(参考文献:標準化トンカットアリ根水抽出物を用いて行われた研究

トンカットアリの副作用は大丈夫?

これだけの効果があると、服用した場合に副作用などのデメリットはないのか、気になるあるかもしれません。

トンカットアリは植物由来のため、副作用は基本的にありません。また、高容量を服用した場合でも、身体の重要な機能に対して無害であることが研究結果からも示されています。しかし、トンカットアリが合う合わないには個人差があるため、体調を悪化させないためにも大量摂取は避けた方がよいでしょう。

アダプトゲン作用を持つハーブ

高麗人参、冬虫夏草、マカ、霊芝…。名前を見ると「なんとなく精力がつきそう」といったイメージですが、これらのハーブには共通点があります。

ストレスに対する抵抗力を高める

上述のハーブ類は「アダプトゲン」と呼ばれ、ストレスに対する抵抗力を高める効果があるハーブのことをいいます。つまり、外的な要因からの防衛力があって、体内環境を正常な状態に近づける作用があるということです。

体内で分泌されるホルモンのバランスを保ち、免疫能力を高めることで体を正常な状態に近づけてくれるのも特徴です。テストステロンにとっても、よい環境を整えてくれると考えられるでしょう。

インドの薬用人参「アシュワガンダ」

アダプトゲン作用のあるハーブの多くは、漢方やインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」の現場で、長きにわたって使われてきました。そのアーユルヴェーダにおいて、代表的なハーブといわれるのが「アシュワガンダ」です。

アシュワガンダには、アダプトゲン作用があるのはもちろんのこと、体力増強や疲労回復効果も高いことがわかっています。高麗人参に含まれるサポニンを含有していることから、インドの薬用人参とも呼ばれています。

インドでは、アシュワガンダを摂取した不妊男性の精子の質が改善され、テストステロン値が上昇したという研究結果も出ています。
(参考文献:Withania somnifera improves semen quality by regulating reproductive hormone levels and oxidative stress in seminal plasma of infertile males

まとめ

さまざまなハーブの効能や、テストステロンとの関係について紹介してきましたが、いかがでしたか。お気に入りのものをブレンドして、ハーブティーにして楽しめるのもハーブの魅力です。

ストレスはテストステロンにとっての大敵です。ハーブ自体の効能はもとより、ハーブティーを飲んでリラックスすることでも、テストステロン産出にとって好ましいことかもしれませんね。

  • 参考文献
    ・エスエス製薬 https://www.ssp.co.jp/seiyoherb/
    ・ゼリア新薬 https://www.zeria.co.jp/
    ・わかさの秘密 https://himitsu.wakasa.jp/
    ・日本食糧新聞社 https://news.nissyoku.co.jp/
    ・クリニックTEN https://clinicten.jp/
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