ゲームを楽しむと、テストステロンの分泌が促進されるって本当?

ゲームを楽しむと、テストステロンの分泌が促進されるって本当

いわゆる「男性らしさ」に欠かせないホルモンといえば「テストステロン」ですが、ゲームをすることでテストステロンを増やす効果があるという研究が複数報告されていることをご存じでしょうか。

もちろん、ゲームをやればやるほど効果があるわけではありませんが、ある程度の時間ならテストステロンの分泌に程よい効果があるというのです。この記事では、テストステロンの分泌とゲームの関係について解説します。

ドーパミンの役割は?

ゲームをすると、ドーパミンという物質の分泌が増えることが報告されています。脳の神経伝達物質の一種であるドーパミンは、テストステロンの分泌と密接に関連していることもわかっています。

つまり、ドーパミンを増やすことはテストステロンの分泌にも重要なことだといえます。それでは、ドーパミンとはどんな物質なのでしょうか。

ドーパミンは神経伝達物質

ドーパミンは、アミノ酸のチロシンから合成されます。伝達物質であるドーパミンが主に作用する神経回路としては、黒質線条体路、中脳辺緑系路、中脳皮質路の3つがあります。

黒質線条体路のドーパミンのバランスが崩れるとパーキンソン病の原因になることがあります。また、中脳辺緑系路や中脳皮質路でドーパミンのバランスが崩れると統合失調症の原因となることがあります。

ドーパミンは脳の働きに重要な役割を果たしているということです。

幸福感や快楽をもたらす

ドーパミンは、快楽を感じる脳内報酬系の活性化にも大きく関与しています。お酒を飲んで楽しく感じるのは、脳内報酬系と呼ばれる神経系が活性化してドーパミンが放出されるためだと考えられています。

アルコールのほかにも、ギャンブルや麻薬など依存性が指摘されている行為には、ドーパミンの分泌を促進する作用があるといわれています。依存症にも大きく関連する神経伝達物質の1つがドーパミンというわけです。

健康な人の場合、ドーパミンは適切な分泌量に調節されるように働いています。そこでは、ドーパミンは幸福感や快楽など感情面で役割を果たしています。

ゲームをするとテストステロンが増える理由

ゲームをすることでテストステロンが増える理由としてはいくつかありますが、脳内報酬系の活性化に伴うドーパミンの放出が関連していると考えられています。

競争、チャレンジをする

ゲームには、いくつか種類があります。アクションゲームやロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、FPSなどがありますが、共通しているのはミッションをクリアするために、何らかの課題やチャレンジが求められていることです。

その課題を解決することで得られる達成感が、テストステロンの分泌に良い影響を与えると考えられます。

南米ボリビアの先住民のテストステロンを調べた研究では、狩りに成功した男性は失敗した男性よりもテストステロンが多かったという報告があります。ゲーム内の競争に勝ち、チャレンジに成功することは、狩りがうまくいくことと同様の効果が期待できます。
(参考文献:Successful hunting increases testosterone and cortisol in a subsistence population

ゲームに夢中になるとドーパミンが出る

ゲームに夢中になると、脳内でドーパミンの分泌が促進されます。ドーパミンは、やる気や集中力、幸福感や快楽をもたらすため、ゲームをすると楽しいと感じるようになります。

集中力や快楽などの面でドーパミンは重要な役割を果たしますが、そのドーパミンの放出を促すのがテストステロンです。

どのようなゲームがテストステロンを上げるのか?

どのようなゲームがテストステロンを上げるのか

ゲームといっても、ジャンルからプレイする形式まで多種多様です。テストステロンの分泌に良い影響を与えるゲームとは、いったいどんなものでしょうか。

オフラインゲームよりオンラインゲームが効果的

ミズーリ大学で行われた研究では、42人の大学生を3人編成のチームに無作為に振り分け、「他のチームと対戦するゲームモード」「チームメイト同士で競い合うゲームモード」の2通りでテストステロン値に変化があるかを実験しました。
(参考文献:Unreal hormones: males treat games as social competitions

他のチームと対戦したグループでは、ゲームに勝ったチームは負けたチームよりもテストステロンの数値が高くなっていました。一方、チームメイト同士で対戦したグループでは、全てのプレイヤーのテストステロン値が下がっていたと報告されました。

チームメイト同士では、競争意識が鈍ってしまうことがテストステロンの数値が減少した原因である可能性も示唆されています。そのため、ゲームをするのであれば、オンラインゲームで見知らぬ相手と対戦する方がテストステロンの数値が高くなる可能性があります。

ゲーム以外にテストステロンを上げるものは?

ゲーム以外にも、テストステロンの数値を上げる可能性のあるものがいくつかあります。何かに夢中になることでドーパミンが放出され、テストステロンの分泌も増えることになるので、楽しめる趣味を見つけることは男性の健康に重要なことだといえます。

スポーツ観戦

ゲームと同じようにテストステロンを増やす可能性のある趣味には、スポーツ観戦があります。応援している選手やチームが勝つと幸せな気持ちになり、ドーパミンが放出されやすくなります。

スポーツ観戦をして気持ちを高揚させることで、テストステロンの分泌促進が期待できそうです。

株トレード

購入した銘柄の株価が刻一刻と上下する短期トレードでは、資産が目減りするかもしれないという緊張感が伴いますが、テストステロンの分泌は増えるかもしれません。

リスクのある行動を取ることで、ドーパミンが分泌されることが知られています。短期的な株トレードなどでリスクを取ることでドーパミンが放出され、ゲームを行うのと同様にテストステロンが分泌される可能性があります。

ゲームのやりすぎは逆効果?

強いストレスは逆効果になる

ゲームにはテストステロンを増やす可能性がありますが、やりすぎには注意が必要です。健康面を考えた場合には、ゲームは適切な距離感で行うことが重要です。

睡眠時間が減るとテストステロンが減る

ゲームを長時間することで、睡眠時間が十分に確保できないこともあります。ゲームのやりすぎによって睡眠時間が不足すると、免疫力の低下やうつの発症リスクを上げるなど健康を損なうこともあります。

また、睡眠が不足することでテストステロンの数値が低下することも報告されているため、ゲームは決まった時間で抑えることが必要です。

強いストレスは逆効果になる

ゲームの種類によっては、強いストレスになることもあります。暴力性の高いゲームでは、自覚はなくても強いストレスを受けてしまっている可能性もあります。

また、自分が思ったようにゲームが進行できない場合は、ストレスが高まります。過度なストレスによってテストステロンが抑制される可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

ゲームの種類によってはチャレンジをしたり競争することでテストステロンの分泌が促されることがあります。

また、夢中でゲームをすることでドーパミンが放出されることが知られています。ドーパミンの放出とテストステロンの分泌には関連性があり、ゲームをすることでテストステロンが増える可能性はあります。

しかし、ゲームのやりすぎによって睡眠時間が十分に確保できなかったり、強いストレスがかかったりした場合、テストステロンが減少する可能性もあります。決まった時間の中で思い切りゲームを楽しむのが、健康面でもテストステロン分泌という意味でもいいでしょう。

  • 参考文献
    ・テストステロンと経済行動:濃度変化がリスクをとらせる https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbef/3/0/3_0_194/_pdf/-char/ja
    ・日本人男性における加齢に伴うフリーテストステロン値と性機能の縦断的変化 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol/109/1/109_20/_pdf/-char/ja
    ・Successful hunting increases testosterone and cortisol in a subsistence population https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24335989/
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