ブロッコリーを食べるとテストステロンが増えるって本当?おすすめの食べ方とは

ブロッコリーを食べるとテストステロンが増えるって本当?おすすめの食べ方とは

筋トレに励んでいたり、テストステロンについて調べたりすると「ブロッコリーが効果的」と耳に挟むこともあるのではないでしょうか。しかし、実際にブロッコリーにどんな効果があり、どう役に立つのかご存じの方は少ないと思います。

そこで、ブロッコリーがテストステロン量に良い影響を及ぼす食べ物なのか、どんな食べ方をするべきなのか等を、論文を取り上げつつご紹介します。

是非うまく日頃の食生活に取り入れて、理想の体づくりに役立ててみてください。

ブロッコリーにテストステロンを増加させる効果はある?

ブロッコリーにテストステロンを増加させる効果はある?

「筋トレの効果を高める食材」としても知られているブロッコリーですが、テストステロンに対してはどのような効果が確認されているのでしょうか。まずはブロッコリーとテストステロンに関係する論文を見ていきましょう。

「ブロッコリーがテストステロンを増やす」とする研究結果はまだ無い

実は「ブロッコリー摂取によってテストステロンが増えた」と結論付けた研究論文は未だありません

そのため、ブロッコリーがテストステロン量を増やす、テストステロンに対しブロッコリーが特有の効果をもたらす、とは断言できません。しかし、ブロッコリーとテストステロンの間に関係が全く無いわけでもありません。

その理由として、以下でご紹介する成分が関わっています。

「インドール3カルビノール」がポイント

ブロッコリーを食べることで「インドール3カルビノール」という成分が得られます。この成分はホルモン分泌に関係しており、テストステロンの増加が期待できる成分です。

ただし、ブロッコリーにインドール3カルビノールがそのまま含まれているわけではなく、ブロッコリーに元々含まれているのはグルコプラシシンという物質であり、咀嚼時・調理時に分解されてはじめてインドール3カルビノールになります。

よく噛んで食べることで、より良い効果が期待できそうです。

「インドール3カルビノール」とは

「インドール3カルビノール」とは

ブロッコリーを食べることで得られるインドール3カルビノール。この物質は他にどんな効果が期待でき、どういった食材から摂取できるのでしょうか。

インドール3カルビノールについて、詳しく見てみましょう。

アブラナ科の野菜で多く摂取できる

インドール3カルビノールは、グルコプラシシンを含む食材から得られる物質です。そのグルコプラシシンはアブラナ科の野菜に多く含まれることがわかっています。

インドール3カルビノールを摂取したいのであれば、ブロッコリー、キャベツ、白菜、水菜、小松菜、カブ、チンゲン菜などアブラナ科の野菜を意識的に摂取するのがおすすめです。夕食時など、食事の際に1品加えてみましょう。

抗がん作用・老化防止・エストロゲン抑制などが期待できる

次に、インドール3カルビノールの具体的な働きについて確認していきましょう。

この物質に関して、研究により抗がん作用・老化防止・エストロゲン抑制など様々な効果が確認されています。中でもエストロゲンの抑制作用は、テストステロンを増やしたい人にとって非常に大きなメリットです。

男性の体であってもテストステロンは、一部がエストロゲン(女性ホルモン)へ変換されてしまいます。そのためテストステロンからエストロゲンへの変換を抑制するインドール3カルビノールは、間接的にテストステロン量の維持・増加に役立っていると言えるのです。

例えば2001年に発表された論文には「アブラナ科の野菜と、イソチオシアネートやインドール-3-カルビノールなどの有効成分の役割は、発がんモデルで広く研究されている」「結果は一貫して、アブラナ科のこのクラスの野菜に由来する化学予防剤が、癌発生の開始段階および促進段階で発癌に影響を与えることを示している」といった記述があります。
(参考文献:Cruciferous vegetables and cancer prevention - PubMed (nih.gov)

また2003年発表の論文には「インドール3カルビノールは、エストロゲンが関わるとされているがんの発症を予防することが示されている」「インドール3カルビノールは、エストロゲンの影響を改善する」との言及も。
(参考文献:Indole-3-carbinol is a negative regulator of estrogen - PubMed (nih.gov)

上記に挙げた2つの研究論文から、インドール3カルビノールはエストロゲンを抑制するため、エストロゲンに関わるがんの抑制に効果的であることがわかります。

結論として、インドール3カルビノールを摂取できるブロッコリーやアブラナ科の野菜は、テストステロン量を維持・増加させるのに効果的と考えられるのです。

筋トレしている人にブロッコリーがおすすめの理由

筋トレしている人にブロッコリーがおすすめの理由

ブロッコリーを食べればインドール3カルビノールが摂取でき、テストステロン量が増え、男らしい身体づくりがしやすくなります。しかし、筋トレをする方にブロッコリーが良い理由はそれだけではありません。

ブロッコリーの栄養素から、その理由を紐解いてみましょう。

タンパク質を多く含む

ブロッコリーは、たんぱく質を比較的多く含む野菜です。例えば可食部100g中には

  • 生の状態で4.3g、茹での状態で3.5g(文部科学省「日本食品標準成分表」)
  • 生の状態で5.4g、茹での状態で3.9g(文部科学省「食品成分データベース」)

のたんぱく質が含まれているとしています。
(参考:日本食品標準成分表 野菜類食品成分データベース

ちなみに「日本食品標準成分表」で見ると、他の野菜の場合は

  • ほうれんそう……生の状態で2.2g
  • おくら……生の状態で2.1g
  • 日本カボチャ……ゆでの状態で1.9g

のたんぱく質量とされています。ブロッコリーは、筋トレ中・ダイエット中でたんぱく質を摂りたい方におすすめの野菜と言えるでしょう。

ビタミンを多く含む

ブロッコリーには、ビタミン類も豊富に含まれています。例えばテストステロン量の増加が見込めるビタミンKは、生で210μg、茹でると190μgの含有量です。(可食部100g中)

厚生労働省の定める食事摂取基準(2020年版)に定める150μg/日の摂取目安量を上回り、ビタミンKの摂取に有効と言えます。他にも以下のビタミン類を含んでおり、若々しく元気な自分でありたい方におすすめです。

  • 疲労改善に役立ち、エネルギーを生むビタミンB1……0.17mg(生)・0.06mg(茹で)
  • たんぱく質や脂質代謝に関係するビタミンB2……0.23mg(生)・0.09mg(茹で)
  • 抗酸化作用・テストステロンの増加が期待できるビタミンC……140mg(生)・55mg(茹で)

(参考:食品成分データベース

また、ビタミンKとテストステロンの関係について詳しく知りたい方は【納豆・大豆はテストステロンを増やす?今日からできる自分磨き】、ビタミンCとテストステロンの関係について知りたい方は【【ドリンク6選】テストステロンの分泌を助ける飲み物はこれだ!】も併せてチェックしてみてください。

ブロッコリーを摂取するのにおすすめの食べ方

ブロッコリーを摂取するのにおすすめの食べ方

たんぱく質やビタミンが豊富に含まれ、様々な嬉しい効果をもたらしてくれるブロッコリー。その効果を最大限発揮してもらうためには、どういった食べ方をするのが良いのでしょうか。

ここからは、ブロッコリーの効果的な食べ方についてご紹介します。

蒸して食べる

ブロッコリーは茹でて食べる方が多いのではないでしょうか。しかし茹でるとビタミンが溶け出してしまい、効果が実感しにくくなる可能性があります。特にビタミンB・Cは水溶性のため失われやすく、損な調理方法と言えます。

そのため加熱して食べる場合は、蒸して食べるのがおすすめです。お湯に長時間浸さないため、ビタミンを逃しにくいメリットがあります。レンジを活用し、さっと蒸して食べましょう。

筋トレ後に肉とセットで食べる

筋トレ後は、たんぱく質やビタミンの補給が必要です。特に運動後30~45分はゴールデンタイムと呼ばれ、体に栄養をしっかり供給・吸収できるタイミングと言われています。

このタイミングで、たんぱく質の豊富な肉と一緒に食べるのもおすすめです。食事も兼ねてブロッコリーと鶏むね肉を一緒に食べる、プロテインの代替品として食べる、など取り入れやすい形で活用してみましょう。

生食もおすすめ

茹でる、蒸すなど、過熱して食べるイメージの強いブロッコリー。しかし、実は生食も可能なことはご存知でしょうか。食べやすい大きさにちぎって、サラダとして食べられます。

生食の際は、油分を含むドレッシングやマヨネーズと一緒に食べるのがおすすめです。それは、テストステロンを増やす効果が期待できるビタミンKが脂溶性のため。

ブロッコリー単体で食べるよりも、油分を含むものと一緒に食べる方が吸収しやすく、より効果を期待できます。ドレッシングとさっとあえて、他の野菜と併せるなどして食感を楽しめるサラダにしてみましょう。

ブロッコリーを食べる際に注意すること

ブロッコリーを食べる際に注意すること

ここまで、ブロッコリーの効果や、効果的な食べ方などをご紹介してきました。しかし、意識して摂取する中で注意すべきポイントもあります。

ここから、ブロッコリーについて注意するべき3つのポイントをご紹介します。

茹ですぎに注意

上述した通り、茹でることで水溶性ビタミンが溶け出してしまう可能性があります。加えて加熱しすぎてしまうと、ビタミンCが壊れてしまう場合も。

「茹でたブロッコリーが好きなので、茹でて食べたい」といった場合には、くたくたになるまで煮ずさっと、固めのままお湯から上げるのがおすすめです。

食べ過ぎに注意

ブロッコリーは、たんぱく質やビタミンなど、意識して摂取しておきたい成分が多く含まれている野菜です。しかし大量に食べれば良い、というものでもありません。

ブロッコリーには「ゴイトロゲン」という成分が含まれており、甲状腺機能の低下などの可能性が指摘されています。1日1房以上など過剰摂取をしなければ問題ないとされていますが、意識するあまり偏った食生活になってしまわないよう注意が必要です。

生食するなら残留農薬や虫に注意

ブロッコリーが生食できることは、上述した通りです。しかし生食する場合は、残留農薬や、つぼみの間に潜む虫に注意する必要があります。念入りに洗ってから食べるようにしましょう。

ブロッコリーはつぼみ部分を下にして水に浸け、少ししたら茎をもって揺らすようにしてゆすぐと綺麗に洗えます。ただし水に長時間浸してしまうと水溶性ビタミンが溶け出してしまう可能性があるため、浸す時間は10~20分程度にとどめましょう。

ブロッコリーが苦手な場合

ブロッコリーが苦手な場合

ブロッコリーがどうしても苦手という方もいると思います。その場合は無理せず、ブロッコリー以外のアブラナ科の野菜を選んで食べましょう。

例えば、キャベツ・芽キャベツ・ケール・ブロッコリースプラウトなどを代わりに食べるのもおすすめです。ただし、ブロッコリーと同様に過熱しすぎないように注意してください。

食事以外でテストステロンを増やす方法

テストステロンを増やす方法は、食事だけではありません。以下の方法を取り入れることで、テストステロンのレベルを上げることができます。

運動と筋トレ

適度な運動や筋トレは筋肉量を増やし、テストステロンの産生を促進することができます。重量を扱うウエイトトレーニングは特に効果的です。また、有酸素運動もテストステロンのレベルを上げることができます。

ライニングについては注意点もあり、走り方によってはテストステロンが減少してしまう可能性もあります。【ランニングはテストステロンを増やす?減らす?「ほどほどに」走るのが肝心】の記事も合わせてチェックして、テストステロンのために適切なランニング法をご確認ください。

十分な睡眠

十分な睡眠は、テストステロンの生産を促進することができます。睡眠不足はテストステロンのレベルを下げることが知られています。毎晩7~9時間の睡眠を確保することをおすすめします。

ストレス管理

ストレスはテストステロンのレベルを下げることがあります。ストレスを減らすことで、テストステロンのレベルを維持することができます。リラックスするための時間を作ることが大切です。

テストステロンとストレスの関係性について詳しくは【テストステロン量はストレスに影響されるって本当?】こちらをご確認下さい。ストレスの影響を受けないために日ごろから注意すべき点もご紹介しています。


ブロッコリーは冷凍保存しておくと便利

ブロッコリーは常温保存していると、次第につぼみの色が悪くなり、栄養価も下がってしまいます。

そのため購入したら早めに冷凍保存するのがおすすめです。食感を楽しみたい方は生のまま冷凍保存してもいいですし、茹で・蒸し後に冷凍保存してもいいでしょう。

解凍すればすぐにフレッシュなブロッコリーを食べられます。

まとめ

ブロッコリーを食べればインドール3カルビノールを摂取でき、テストステロン量の維持・増加が期待できます。加えてビタミンやたんぱく質が豊富に含まれているため、筋トレの効果をより引き出したい方やダイエット中の方にぴったりの食材です。

茹でたり蒸したりして食べる他、生食など活用方法も豊富。ぜひ食卓に意識して取り入れて、理想の身体づくりに役立ててください。

  • 参考文献
    ・Cruciferous vegetables and cancer prevention https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12094621/
    ・Indole-3-carbinol is a negative regulator of estrogen https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12840226/
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