【全文掲載】男性の健康と幸福を語り合う「男塾」第4回《テストステロン補充の最新情報》#02

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LOH症候群~Late onset hypogonadism~

人間関係が億劫になったり、眠りが浅くなる。なんだか疲労感がある。いろいろな所が痛い。腰が痛い。肩が痛い。テストステロンが低くなると、こういった症状が起きます。

一日や二日は、こういうことは皆さんよくあると思うんですが、こういう状態が2週間続いてくるとなると、毎日の生活にも支障をきたしますし、ちょっと異常だということになってくると思います。 またさらにテストステロンが低くなってくると、いろいろな健康リスクが多くなるということが分かっています。一番我々の関心があるのはコロナですね。 

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コロナについてはテストステロンが低い人は重症化しやすいということが分かってますし、またワクチンやっても付きにくい可能性がある。非常に大きな問題です。


また太ってくる人、肥満、メタボ、高血圧、糖尿病、がん、心臓病、脳梗塞、心筋梗塞、うつ病…こういったものになりやすいということも分かっています。 


先ほどお話ししましたが、加齢に伴ってテストステロンが下がってくる状態を、加齢性腺機能低下症と言います。英語ではLate onset hypogonadismという難しい単語が並んでいますが、この頭文字を取ってLOH(ロー)症候群とも言います。 

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先ほどの血液のテストステロン値でいうと、総テストステロンが低いというのは、性腺機能低下症といって男性機能が損なわれる。
すなわち生殖機能ですね。これに必要なテストステロンの値だと言えます。ですから性腺機能低下症は基本的には年齢には関係ありません。 


成人であれば何歳であってもこの値より低いと「生殖機能が問題ですよ」ということになります。こういった生殖機能だけなく、今申し上げた肥満とか筋力が低下して運動のパフォーマンスが落ちる。 

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脂肪肝、EDやうつ、意欲の低下、あるいはコロナに対する免疫力の低下といった内容ですね。こういった様々な症状に関連するものについてはフリーテストステロン値を測って、この値が低い場合にはLOH症候群としています。こちらの性腺機能低下症は基本的には保険の範疇内ですけれども、フリーテストステロンで判断するというものは基本的には保険の対象では無いということになります。

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上の図は、唾液の中に含まれるホルモンの値を計測をしています。先ほどフリーテストステロンという話をしたんですけれども、唾液で測る、唾液検査ではフリーテストステロンの値が分かります。


そしてこれを2時間おきに測ってみますと、若い男性は朝が一番高いんですね。そして昼頃1回下がった後にもう1回上がって夜になると下がってくる。非常にメリハリが付いた値になっていますが、高齢の方になってくると朝からずっと低く、日中もあまり高くなることは無いという状況になります。



ですからこのような、いつ変化があるかということが分かれば、たとえばこの例のような方であれば、朝にテストステロンを補充すると若い人にちょっと近づくということが分かっていただけると思います。

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テストステロンの測定は医療機関で病気の診断をするのであれば血液で測定するのが原則です。しかし、これは必ずしも鋭敏ではない。何回も血液を取れるわけでもありません。医療機関じゃないと検査できないというデメリットもあります。


唾液でテストステロンを測ることによって、刻々と変わる変化を捉える
ことができます。また意欲であるとか溌剌さが自分で感じられない時に、唾液でテストステロン値を調べるということもできます。 

唾液検査は非常に鋭敏な指標で、医療廃棄物も出ません。採決のように看護師さんにやってもらわなければいけないわけでもありません。ご自分で唾液を出して検査機関に送っていただけるということができます。 


ただ、現在、唾液の測定をできる所というのは日本にはないんです。そこで、我々は夕刊フジの健康サイト「DANTES」と提携して商標を作りました。 

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「唾液テストステロン検査」という名称でもいいんですけれども、ちょっと医療から離れている検査だということもあり、ゲームの時にキャラのアクティビティの度合いですね、キャラの活力の度合いというんですかね、これをヒットポイントであるとかHPとか言いますけども、この「HP」を調べる「HPテスティング」という名称で唾液のテストステロンを調べる企画を現在進めています。ですから、採血のような病気を診断するのとは違って、例えば運動されている人が自分のしている運動の量とか質が適切かどうか、運動することによってホルモンが上がっているかどうか、そういうことが分かります。

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ダイエットをした場合もですね。このホルモンまで減ってしまうということになると、逆に太ってしまいます。ですから適切なダイエットができているかどうか、これも調べることができます。


もちろん、ストレスが強いのか、ストレスが無いのか、といったこともわかります。ストレスが強い場合には例えば土日はテストステロンが上がるんですけれども、会社に行って月曜日、火曜日になってくると、だんだんテストステロンが下がってきてしまいます。この詳細は今後、夕刊フジの健康サイト「DANTES」で紹介をさせていただきます。 


そして、このテストステロンの値は、どのぐらい長生きできるかということにも関係するということが分かってます。 

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このグラフは、ある村にいる70歳以上の方々の全体を追っかけて追跡調査したものです。
何年ぐらい生きるかということを追跡するのですが、青のグループはテストステロンの値が普通の方ですね。赤の線の方は、ちょっと低い方です。緑の線の方はだいぶ低い。先ほどの性腺機能低下症ということですね。スタートの時点では生存確率は100%ですけれども、例えば4年間経つとどうなるか。


正常なテストステロンの方は4年経って15%亡くなっていますが、テストステロンが低い人は約25~26%と、亡くなっている人の数が10%ぐらい違っています。 


6年経つとだいぶ差が出るということがお分かりになると思います。テストステロンの存在を知らないまま、下がったままということもあると思います。 


基本的には筋肉を作るのがテストステロンの作用で、脂肪が増えるのを防ぐ作用があります。お腹周りが増えてきた、ベルトの穴が1個広がったということは、知らないうちにテストステロンが下がっている可能性が非常に高いということになります。

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またテストステロンが低い方が肥満になりやすいとか、糖尿病になりやすい。メタボになりやすいということが医学的にはよく知られています。 下の図は、今日の話題であるテストステロンを補充する治療を受けた人がどういう変化をするかということですね。メタボリックシンドロームのメタボの人にテストステロンをプラスする場合ですけれども、グレーの線の人はテストステロン補充をしなかった人です。 

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黒い実線は補充した人ですが、補充しなかった人は5年間見ても体重は変わりません。


しかし、テストステロンを補充することによって5年間で結果的には15キロぐら痩せたんです。 


また、補充しない人は徐々にお腹周りが増えていくんですが、補充療法していくとお腹周りが10cm減った。そして糖尿病の数値ヘモグロビンA1cが補充した人は低下していくんです。 


#03に続く


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