【全文掲載】男性の健康と幸福を語り合う「男塾」第4回《テストステロン補充の最新情報》#01

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堀江:皆さんこんばんは。男性がより健康に溌剌として人生を送るためのウエブライブセミナー「男塾」にご参加いただきましてありがとうございます。
私は、この当塾を主催しております順天堂大学そして日本メンズヘルス医学会の、堀江重郎と言います。どうぞよろしくお願いいたします。 


このプログラムは、男塾運営員会2020そして夕刊フジの男性のための健康サイトDANTESの共催で行っております。そして日本メンズヘルス医学会、日本抗加齢医学会、テストステロンアカデミー、生活向上WEBの開催協力あるいはご講演を頂戴しております。 


この男塾は、ほぼ毎月第三水曜日夜8時から、色んな領域のゲストの方をお迎えしながら、YouTubeチャンネル男塾よりLIVEとして放送をしております。またオンデマンドでもご覧になっていただけます。本日の第四回目の男塾ですけども、私堀江がこのテストステロン補充療法について、お話をさせていただきます。 


そして、お話させていただいた後のディスカッションには、健康医療ジャーナリストの西沢邦浩さん、そして夕刊フジ代表の佐々木浩二さんにも加わっていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 

それでは早速テストステロン補充療法、テストステロンどういうホルモンかということも含めながらお話を始めたいと思います。

テストステロン補充療法

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これがテストステロン。この亀の子みたいなのは構造式なんですけども、俗に男性ホルモンという風に言われています。我々男性では、睾丸、医学の言葉で精巣ですね。それと、副腎で作られていまして、このホルモンが無いと男性になりません。オチンチンを持って生まれてくる。これを一次性徴といいます。

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そして、少年から大人になっていく思春期から生殖能力を持った大人になる。これを二次性徴といいますが、このそれぞれの場面で働きます。しかし女性にもテストステロンはありまして、卵巣、脂肪や副腎から作られているんですけども実は女性でもこのテストステロンはしっかり働いています。

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女性の中にある女性ホルモンであるエストロゲンの実は10倍あるということで、実は女性にとっても重要なホルモンであります。男性ホルモンであるテストステロンの働きはほぼ全身に実は及んでおりまして、特徴的なものとしては、骨や筋肉をしっかり作る。これは少年から青年に向かっていくと体がしっかりとした骨格を持つわけですが、それから血液を増やす造血作用であるとか性機能、そして動脈硬化を防いで、よく血液ドロドロとか言いますが、むしろ血液の正常ではなくて血管をすべすべに保ちます。


そしてコレステロールの値を低く保つ。また最近は認知機能ですね。例えば地図を見ながらナビをするということ、最近は車にナビが付いちゃいましたから、地図を見るってことはあんまり少ないんですけども、空間認知能力等の認識機能にも関わってきます。 

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テストステロンが我々の社会生活に非常に大きな意味を持ってくるのは、こういった医学的な側面だけではなくて、人生のいろいろな局面でテストステロンが必要になってきます。


中でも冒険するときですね。狩りをするとか旅に出る、新しいことにチャレンジする時にはこのホルモンが必要です。 そして、仲間や家族を大切にする、あるいは他人との関わり、そういうことにもテストステロンは非常に重要です。 


また縄張りですね。犬は電柱におしっこしたりしますが、これはテストステロンの働きですね。自分の領域をしっかり守るという、そういう作用もあります。 


テストステロンは、他人と競い合うと出てきます。これはゲームであるとかスポーツであるとか順位が付くもの達成感を得られるものの場合はテストステロンの分泌が高まります。 

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このグラフはですね、ニューギニアの現地人が朝家を出てですね、獲物を捕りに行くという時のテストステロンの値を表しています。


スタートの時点からずっと獲物を捕りに行って3時間歩いて行きますと、だんだんこのホルモンが高まっていきます。 


獲物を捕れる期待感がでてきますね。で「shot」というのは獲物を仕留めた瞬間に非常にこのホルモンの値が上がって、
そのまま家に帰ってこの獲物を皆さん、ご家族に分け与える。 


その時までこのホルモンは高いまま継続していくんです。一方打ち損んじてしまって獲物が逃げてしまったという時には、激しく盛り下がってしまいますね。 盛り下がった気持ちのまま家に帰るということで、獲物を得るということがテストステロンが上がる非常に大きな条件ということになります。 

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ですからこの現代社会に於いても何らかの獲物、これは仕事で何か達成したとか色んな人に認めてもらった、評価してもらったということでもそうですし、あるいは自分が応援しているチームがプロ野球で例えば勝ったという場合でもテストステロンは上がります。
自分が応援しているチームが負けるとやっぱり盛り下がってしまう。こういう時にはテストステロンは下がります。 


全体的にこのテストステロンは意欲やチャレンジ精神、縄張りを主張する。そして自分のことではなくて、ボランティアをするとか寄付をするとかですね。社会貢献をする、そして正しいことを尊重するということですね。 ズルをしない、嘘をつかない、ということにも関係あると言われています。そして不安を感じにくい。鈍感力と書いていますが、他人がとやかく言うことをあまり気にしない、これもテストステロンの大きな作用です。 

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このグラフはですね、私が勤めています順天堂医院の患者さん1万人以上のテストステロンの値を調べて年齢別にプロットしたものです。


病院ですから何らかのご病気の方も当然いらっしゃますが、こちら(下)が男性の方ですね。そうしますと、たまに飛びぬけて高い方っているんですけど思春期からずっと大体平均値でテストステロンが上がっていきます。20代から30代の方々は病院に来る頻度も少なくそんなに差が無いですけれども、30代を過ぎてくるとだんだん、この幅が広くなってくることにお気づきになられると思います。 


ですから70代80代でも十分高い人もいるんですが、結構低くなっている方もいるということがお分かりになるかもしれません。この異常値ということを考えてみますと、通常この異常というのは科学の世界では何らかの分布、まこれ正規分布というんですが、こういった形を取ることが知られています。 


特に端っこの全体の5%に当たる人を異常値という風に扱うことが一般です。これはやはり女性のコレステロールの値ですが非常にきれいなデータを示しています。 

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日本人のテストステロンの値を見てみます。これは20代から80代まで調べています。
全体の平均値が4.3という数字ですね。そして20代の異常値が2.5ということから、世界的にも大体この2.5より低い人はテストステロンが低いという風に考えています 。

ところが実際には、このテストステロンは血液の中では98%が他のタンパク質とくっついてるんですね。ですから実際に働いている部分というのは2%ぐらいしかありません。


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実際働いてる部分はフリーテストステロンと言うんですが、これもやはり採血で調べてみますと、20代の一番低い境界、これが8.5という数字ですね。
ですので後でお話するLOH(ロー)症候群と言いますが加齢に伴ってテストステロン値が下がっちゃうという場合にはこの8.5を一つの基準としています。

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このテストステロンが下がってくるとどういう問題が起きてくるかということですけど、意欲や集中力に欠けたり、チャレンジできなくなるのです。

#02に続く

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