「セックスレスで悩んでいます」という女性がいる一方で、「もう、したくない」と私に相談する女性もいます。

先日、とある女性から「前はセックスがしたかったのに、彼に対して性欲がわかなくなった」という話を聞きました。以前は彼から誘われることが喜びだったが、ある時期から不快に変わり、最近ではそのことを考えるだけで嫌な気持ちになってしまうというのです。

彼女は当初、「“家族”になってしまったんですよね」と、距離が縮まりすぎたことを要因として自己分析していました。ところが、私が「セックスがしたくなくなったのは具体的にいつからですか」と聞き出すと、ちょうど、「やりたかった仕事を彼から反対された時期」とかぶっていたことが分かりました。

思い出した瞬間、「本当は、それが原因なのかもしれませんね」と彼女自身がつぶやきました。

女性は相手に対して心を許していなければ、体をあずけることはできません。相手に対して人として好意がなくなれば、体も反応しないのです。もし、自分が全くしたくないのに、感情を押し殺して相手を受け入れてしまったら、体が性欲の処理に「使われた」と感じてしまい、虚しくなることもあります。プライベートでも、仕事でも、自分の希望が受け入れられていない状況下で「相手の希望を受け入れる」ことは苦痛でしかない、と考えてしまいます。

しばらくして彼女は、仕事に対する本心を彼に伝えました。それがきっかけとなって、彼も改心し、彼女は心を開いてセックスに対しても前向きに応えることができるようになったそうです。

女性がセックスをしたくない理由として「性欲がわかない」「そういう対象として見られなくなってしまった」などの理由をよく聞きます。もう少し突き詰めてみるとどこかで「コミュニケーションのすれ違い」が起きていた可能性があります。お互いにコミュニケーションや生活に満足にしているか、常に確認した方がいいと思います。