「産後パパ育休」新制度の変更点と特徴を解説
産後パパ育休(出生時育児休業)が10月1日からスタートしました。男性が育休をとりやすくなったこの制度、これまでの育休とどう違うかご存じでしょうか。
これまでの育休とは別の制度で、子供が産まれてから8週間以内に4週間まで取ることができて、2回に分割して取得することも可能です。
産後の女性は、それまでの生活とのギャップや体の変化に不安を感じ、産後うつや体調を崩すことがよくあります。これからは男性が柔軟にサポートできることから〝男性版産休〟とも呼ばれているようです。
男性の育休は徐々に浸透し2021年度の男性の育休取得率は13.97%と9年連続で上昇しているものの、まだまだ少数派というのが現状。政府は15年までに30%の取得を目指しています。
男性の育休がいまひとつ浸透しない理由に「パタニティー・ハラスメント(パタハラ)」というものがあります。パタニティーとは父性のことで、パタハラは男性の育休などを理由にした嫌がらせです。「男なんだから、仕事を休む必要はない」「休むことは認めない」などの言葉を職場で浴びせられるようです。20年に厚生労働省が行った調査では、過去5年間に育休を取得しようとした男性労働者の26.2%がパタハラを経験しています。
「男は外で働き、女性は家事育児」という古い価値観の人は、男性育休という言葉に、いまだに顔をしかめるようです。
しかしながら、すっかり核家族化している現代では、共働き夫婦も当たり前で、若い世代では、「男性が家事育児を手伝う」という考え方から、「対等にシェアする」という価値観にすっかり変わっています。
「産後パパ育休」施行をきっかけに、育児をシェアする家庭が増えていかないと、ますます少子化に歯止めがかからなくなるのではないでしょうか。子供が産まれない、あるいは産みにくい、育てにくい国家は衰退していきます。もっと男性の育休取得について議論を深めましょう。
この記事のライター
工藤 まおり
フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。
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