トランスジェンダー、実は多機能トイレの利用が多い
「女性の格好をしている男性が、女性用トイレを利用しても良いと思いますか?」
ある学校の先生から先日、こんな質問をされました。女性用トイレに入ってきたのは女性の衣装でありながら、体つきは男性だったそうです。トランスジェンダーの方だったようですが、利用する女性の気持ちも含めて判断が難しく、議論になったそうです。
「東急歌舞伎町タワー」の共用トイレ問題に端を発して、その後も議論が沸騰しています。
全ての人が利用できるトイレによって、性犯罪の不安を感じる女性がいるのも事実。実は私自身も、幼い頃に怖い思いをしたことがあって、最初の問いには「正直、ちょっと性犯罪の可能性などの不安があります」と素直な不安を伝えました。
実際の当事者たちはどのように思っているのでしょうか。TOTOがLGBT総合研究所の協力を得て行った「性的マイノリティのトイレ利用に関するアンケート調査」の結果によると、外出先トイレ利用でトランスジェンダーの感じるストレスのトップは、「トイレに入る際の視線」(31.1%)でした。そして、他者の視線を気にせず自由に選択できる場合、トランスジェンダーのうち、FtM(体の性は女性で性自認は男性の人)やMtF(体の性が男性で性自認は女性の人)は、「からだの性に基づくトイレ」を利用したい人も、「性自認に基づくトイレ」を利用したい人もいるという結果に。
一方、トランスジェンダー(こころの性とからだの性が一致していない人)はシスジェンダー(からだの性と同一の性自認を持つ人)に比べて、「多機能トイレ」「男女共用トイレ」の利用傾向が高いこともわかりました。
結果を踏まえると、全ての人に配慮するには「女性用」「男性用」「誰でも利用できるトイレ」の3つが必要ですが、すでに公共機関にはかなり普及しているようにも思います。スペースがない場合は、問題が発生した時に気づける体制の構築が必要ですね。
この記事のライター
工藤 まおり
フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。
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