歌舞伎町タワーの「ジェンダーレストイレ」は“安息の空間”になるか?

2023/05/08

幸せおじさん2023年5月8日東京・新宿に誕生した東急歌舞伎町タワーのオールジェンダートイレが、ネット上で物議を醸しています。

オールジェンダートイレとは、性による社会的・文化的差別をなくしたトイレのこと。東急歌舞伎町タワーでは、SDGsの理念でもある「誰一人取り残さない」ことに配慮し、新宿歌舞伎町の多様性を認容する街づくりから導入したといいます。これに対し、ネット上では、「かえって性犯罪が起こる可能性が高まるのでは?」と心配する声が多く上がりました。

 ちなみに現在、米ニューヨーク市では、行政が主導で「女性用」「男性用」という表記で分けていたものをオールジェンダートイレへ転換しているそうです。日本でも、教育機関や公共施設を中心にオールジェンダートイレの導入が進んでいるようですが、今回、なぜ反対意見が多く出たのでしょうか。

1つは場所柄だと思います。私も一度足を運んだことがあるのですが、祝祭的な雰囲気でお酒が飲めるスペースが広く、思わず判断力が鈍った酔客がトイレ周辺で不適切な行為に及ぶ可能性がゼロとは言えません。

2つめは、ジェンダーレストイレの認知度の低さ。LGBTQの知識がある程度あったとしても、多くの方がこうしたトイレは初体験でしょう。男女が入り混じっているイメージに違和感を感じる方も多いはず。

正直に言うと私も、お手洗いのスペースに男性がいたらちょっと萎縮してしまうと思います。別のフロアには女性用、男性用のトイレもあるので、気になる方はフロアを変えて利用すれば良いのですが…。

東急歌舞伎町タワーでは、防犯上の取り組みとして警備員による巡回や防犯カメラによる共用部の常時監視、SOSボタンの設置などの対策をとっているとしていますが、こうした批判は想定外だったのでしょうか。 今後、ジェンダーレストイレは増えていくのでしょうか。だれもが不安なく過ごせる“安息の空間”となるのか、気になるところです。

(写真はイメージ)

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この記事のライター

工藤 まおり

工藤 まおり

フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。


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