「義理チョコ」の風習が廃れた理由
今年もバレンタインデーのチョコ旋風が吹き荒れました。職場の“義理チョコ文化”が廃れてきてホッとしている女性は多いと思います。
思い起こせば社会人1年目の時、社内の女性から集金するように先輩に言われ、休日にチョコを大量買いしました。バレンタインチョコの購入を強制され、その強制されたチョコレートを配る。そしてホワイトデーには半強制的に女性にお返しをする。なぜ、こんなにも誰も幸せにならないことをやるんだろうと疑問に思いつつ、これが社会の厳しさなのか…と、ぼんやり考えていました。
そんな私も、学生時代はチョコレートを配るのが好きでした。担任の先生以外に、副校長先生や校長先生にも渡していましたし、30個ほど小分けした上で友達に配りまくってました。
あんなにもチョコを配ることが好きだったのに“職場の圧力”によって、バレンタインデーに嫌気がさすようになったのには自分でも驚きました。なんでもそうですが、「しなければならない」となった時点で心が暗くなり足が重くなるのですね。
そうした意味では、ゴディバが2018年2月1日に日経新聞で呼びかけた「日本は、義理チョコをやめよう」という広告は意義があったと思います。メーカーにとっては売り上げにかかわる英断で、〈「あげるひと」にとって「楽しい」バレンタインデーかどうか、がもっとも重要〉というメッセージに深く共感しました。そして、風向きが変わりました。
インテージが現在、職に就いている男女それぞれに「職場の義理チョコ」に対する考え方・感じ方を尋ねた調査によると、女性は「参加したくない」が8割を超える回答に。男性も、「うれしくない」と答える人が61%と、ネガティブ寄りの結果でした。
もちろん、職場でのコミュニケーションの潤滑油として、自主的に配ったり、もらったりという方は今もいるでしょう。
ただ、強制的ではない、楽しいイベントであってほしいと思います。
この記事のライター
工藤 まおり
フリーランスライター。津田塾大学数学科卒。大手人材会社を経て、セクシュアルウェルネスメーカー、TENGAの広報に転職。女性向けセルフプレジャー・アイテムブランドirohaのPRなどに携わった後、この春フリーランスに。PR業務、恋愛・性・キャリアに関するコラムを執筆。
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