あなたが、巷にはびこる「イライラ星人」にならない法
「電車内で咳をする人をギロりと睨みつけ、怒りをあらわにする人」「ちょっとした相手のミスを執拗に責める人」「家族の一言が気に障り、不機嫌になる人」「若者の口調にムカついて、仕事に集中できない人」
いま、巷にはイライラ星人がはびこっている。テレワークで自宅に押し込まれ、イライラする気持ちもわかる。だが、そういう状態で過ごすことは自分にも周囲にも百害あって一利ない。不機嫌が病気を招き、運気も下げてしまう。しかし、人や事象の多様性を「容認する力」があれば、この問題の9割は解決する。
「ここまでは譲っても大丈夫」というラインを作る
「致命傷にはならない3割」の部分、言い替えれば「容認領域」を先に決めてしまう。仕事や人間関係において「ここまでは受け入れる」というラインを先に決めるのだ。
これにより、イライラの数が減る。そして、「これだけは絶対に守ってほしい」「このクオリティだけは担保してほ欲しい」「これだけは絶対にやめてほしい」の領域を相手が越えた時点で、きっちりと相手に「NO」を突きつける。
はっきりとした「デッドラインの存在」が不安を消し、あなたを大らかで余裕のある物腰の持ち主へと変えてくれる。
「認識」はしても感情は動かさない
不動心という言葉がある。何を見ても聞いても、心を動揺させない心の在り方だ。そのためには、最初から「常軌を逸したもの」を前にしても「心を乱さない」と決めておく。「受け止める構え」があれば、無粋な事象や人を見ても動揺せず受け流せる。
うまくいくコツがある。「あんな失礼な人を前に、あの人はとても冷静だ」「あの状況で飄々としていて只者じゃない」と、周囲を驚かせている自分を想像してみよう。それだけで、無駄な恐怖心を感じない自分へと近づける。
「みんな違っていい」と多様性を楽しむ
人は皆、同じ規範を持たねばならない、というのは良くも悪くも日本人特有の「島国感性」である。少し非常識な人や個性的な生き方の人を見ると、すぐに文句を言ったり色眼鏡で見てしまう。
その傾向が強い人は、「みんな違っていていい」「多様性を楽しもう」といったモードにスイッチを切り替えてみよう。そのアクション1つで、対人ストレスの多くを消すことができる。
5年後には大した問題になっていない
世の中には日々、忘れがたき重大事件が発生している。そんななかで、私たちの日々のイライラなどはあっという間に記憶から消えてしまう。イライラしたら、即座に「5年後には大した問題ではない」「忘れているだろう」と自分に言い聞かせよう。
人生に致命傷を及ぼさない違和感は「容認」する。そのかわり、「感動と笑いと充実と愛」で満たすことに集中する。その割り切りが有益なことは、頭ではわかっていても心ではなかなか処理できない。
だからこそ、この難しい修行は挑戦する価値がある。「容認力」を身につければ、自分も周囲も快適になる。私たちに一番必要な新習慣の1つだ。
この記事のライター
潮凪 洋介
エッセイスト・作家。著書累計70冊、168万部。「男の色気のつくり方」「もういい人になるのはやめなさい」「バカになれる男の魅力」「アナザーパラダイスの見つけ方」「自分の壁の壊し方」など。大人の海辺の社交場「芝浦ハーバーラウンジ」をプロデュース、累計7800人が参加。ライフワーククリエイト協会を設立、「会社でも家でもない”サードプレイス“で好きなことでライフワーク起業しよう」をテーマに講座を実施。
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