役職定年が「つらい人」「逆にやりがいを感じる人」とは?

2022/01/08

俺活入門20211224/

最近、筆者の周りで役職定年を迎える人が増えている。出世の道がなくなり、収入も減少したことで、やりがいや居場所を失ったという嘆きをよく聞く。大企業に就職したこともなく、会社員時代にも出世と無縁だった私からすれば「ぜいたくな悩み」にも思えるが、当人たちには切実な「痛み」のようだ。だが、彼らをよく観察すると、「本当につらそうな人」と「やりがいと居場所を見つけてむしろ生き生きしている人」の2通りが存在することに気づく。

■元気で魅力的なのは非エリートの50代

中小の某旅行会社に勤務する55歳の男性は、中途入社で役職なしだが、生き生きと楽しそうに毎日を送っている。

「副業OKなので通販事業を立ち上げ、息子たちと楽しく運営している。息子も大学を卒業して就職したので、この事業を一緒に育てようと思っている。これからの会社員には副業をやらせないとね」

会社勤めは最低限の給料を得るためと割り切り、早々に出世を諦めた人の中にこうした「生きがい」と「居場所」を得ている人は多い。

彼らの多くは、不動産事業や執筆業、教育業、婚活支援業、イベント主催、コンサル業、カウンセラー、投資、ネット通販などを軸に、社外に充実した人間関係を築いている。20代、30代のうちに自分の居場所をつくる努力をした結果と言える。

■エリート“コースアウト”なら遅咲きの副業デビューも

前出の非エリート50代がなぜ生き生きとしているか? それは「他人が用意した仕事で上に登ろうという考えではない」からだ。彼は「自分で考え、自分で決め、自分でつくった仕事」を社外で楽しんでいるのだ。

そこに競争は存在せず、満足できる結果、世界観をつくることに没頭できる。もちろん、他人にハシゴを外されることもない。

学校の科目でいえば、算数や理科、社会といった点数稼ぎ科目ではなく、図画工作や家庭科の科目の世界に生きている。もちろん、自営の商売にはシビアな面もあるが、戦う相手はいつも自分自身。すべて自分の糧になるのだから、つらいことも乗り越えられる。

ならば、エリートコースから外れた人も、今から副業にチャレンジしてほしい。小遣い稼ぎのためではなく「好き」や「得意」「やってみたい」の三拍子そろった副業でアイデンティティを取り戻すのだ。

■副業禁止ならボランティアで

「副業禁止なので、無報酬で自分らしいビジネスを楽しんでいる」という人も少なくない。休日に友人の会社を手伝い、一切お金をもらわずにボランティアでコンサルタントをしている人もいる。

こういう形なら職務規定違反にはならない。定年退職後の仕事の下地もできるし、自分の居場所だってつくれる。社外の人脈や友人が増えることも魅力だ。

■役職定年を機にキングダムをつくれ

一生懸命打ち込んできた仕事や役職を「年齢」という理由だけで剥奪されるのは悔しいに違いない。しかし、これまでも理不尽なことをバネに成長してきたはずだ。役職定年を機に、会社とは別の「パラダイス」をつくってやる!と決意すれば、新たな生きがいが生まれるだろう。

筆者が夕刊フジの後援で運営するフェイスブック無料グループ「50歳からの俺活コミュニティ」では常時メンバーを募集している。ここには現在、270人ほどのメンバーが参加している。次はあなたの番だ。

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この記事のライター

潮凪 洋介

潮凪 洋介

エッセイスト・作家。著書累計70冊、168万部。「男の色気のつくり方」「もういい人になるのはやめなさい」「バカになれる男の魅力」「アナザーパラダイスの見つけ方」「自分の壁の壊し方」など。大人の海辺の社交場「芝浦ハーバーラウンジ」をプロデュース、累計7800人が参加。ライフワーククリエイト協会を設立、「会社でも家でもない”サードプレイス“で好きなことでライフワーク起業しよう」をテーマに講座を実施。


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