「もう居場所がない」と思ったときの応急処置法

2023/05/03

俺活入門20230331


50代以降になると、職場でも家でも、「自分の居場所がない」と感じる人が増える。その原因の多くは「自己重要感の喪失」だ。役職定年で自分のフィールドが奪われたり、家族との不仲などに加えて、自身の老いも感じ始めると「居場所がない」と感じてしまうようだ。今回は、その対処法について紹介したい。

■自分が楽しくなった場所が「居場所」

居場所がないと感じるのは、その場所が“楽しくない”からだ。ならば、楽しい場所に自分を運べばいい。楽しいと感じる場所で「居場所がない」とは思わないはずだ。そもそも、「居場所がない」と感じるのも、「楽しい」と思えるのも自分自身の考え方の問題にすぎない。映画館や図書館、散歩道、あるいはスポーツ観戦など、ひとりでどこかに出向いてみよう。どこかでドーパミンが噴出すれば、「この場所こそ、自分の居場所だ」とわかる。

■乗り物に乗れば「居場所」が見つかる

電車でも車でも飛行機でもいい。乗り物に乗ってみよう。そうするだけで居場所が見つかる。移動の先には目的地がある。その目的地に向かう最中、人の心は期待感にあふれる。「温泉に着いたら、サウナにも入ろう!」。そんな未来の行動目標ができ、そこが居場所になる。

一番良くないのは、自宅の変わりばえのしない景色の中に佇み、「居場所がない」と何時間も考えることだ。目的地を定めて、乗り物に乗ればいい。その日は一日中、「居場所がない」と感じることはないはずだ。

■友達と約束をした瞬間、「未来の居場所」ができる

居場所に困ったら、友人や知人と食事やちょい飲みの約束をしてしまえばいい。それが1週間後の約束なら、約束した瞬間から1週間はずっと、その予定が「未来の居場所」になる。この先1カ月、誰とも食事や遊びの約束をしていない人はご用心。その空白が「居場所がない」という感情に拍車をかけている可能性がある。友人とは食事の日まで心でつながっている状態が続く。そのつながりこそが居場所なのだ。

■親や家族と昔話をする

思い出は、絶対に壊れようがない「パーフェクトな居場所」である。その完璧な楽園は、死ぬまでなくならない。楽しい思い出だけではない。「小学生のとき、俺が悪いことして、おふくろが学校に呼び出されていたね」「あの時はもう、どこかに隠れたい気持ちだったわよ」と笑い合う。親子の間にはゆるぎない思い出=居場所がある。親と話しているうちに、親孝行したい気持ちも湧き上がってくるだろう。

     ◇

自分の居場所は、ちょっとしたスイッチの切り替えで、簡単に取り戻すことができる。要は自分の考え方次第だ。ただし、今回紹介したのは、あくまでも応急処置。これから悔いのない人生を歩むための本当の「居場所」探しは、勇気を持って一歩踏み出すことから始まる。





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この記事のライター

潮凪 洋介

潮凪 洋介

エッセイスト・作家。著書累計70冊、168万部。「男の色気のつくり方」「もういい人になるのはやめなさい」「バカになれる男の魅力」「アナザーパラダイスの見つけ方」「自分の壁の壊し方」など。大人の海辺の社交場「芝浦ハーバーラウンジ」をプロデュース、累計7800人が参加。ライフワーククリエイト協会を設立、「会社でも家でもない”サードプレイス“で好きなことでライフワーク起業しよう」をテーマに講座を実施。


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