免疫力アップで抑えておきたい"3つ"の食品成分【男の底力上げる免疫力・体力強化術Vol.5】

2020/06/24 免疫力向上

新型コロナウイルスに打ち克つ切り札のひとつである「免疫力」。

堀江教授

その強化術のポイントを、前回「日光にあたりビタミンDを活性化する」に続き、男性医療の第一人者である順天堂大学医学部教授、堀江重郎氏に解説してもらいます。


再び東京アラートが点灯する恐れのある中ですが、一度スタートした社会生活を止めるのはなかなか難しいと思います。とはいえ、居酒屋、スポーツジム、レストランなどは、まだ注意が必要です。


さて、免疫力アップの3つのポイント
①笑うこと
②日にあたること
③いろいろなものを食べること

のうち、今回は3つめの「食の多様性」について考えましょう。


1日1回の発酵食品で免疫力アップ

発酵食品の納豆で免疫力アップ

1日3回の食事のうち、3食とも牛丼やラーメンという人はまずいないでしょう。では、「朝はパンにサラダとコーヒー、昼はコンビニ弁当、夜はハンバーグかスパゲッティならいいんじゃないか」と考えがちです。


たしかに、摂取するカロリー面ではまったく問題ないですし、炭水化物やタンパク質、脂質もとれています。これにサプリでビタミン類を摂取していれば「文句あるか?」と言われそうです。


では、この中で足りない栄養素はなんでしょうか?

第1は発酵食品です。日本人は、みそ、納豆、ぬか漬けなど多くの発酵食品を摂ってきました。


韓国はキムチ、ヨーロッパから中東、アフリカもヨーグルトで発酵食品を摂っています。


酸っぱい発酵食品に含まれている乳酸菌は、保存状態が悪くて傷んだ食品を食べてもおなかを壊さない、という効果がありました。


ブルガリアのヨーグルトは有名ですが、モンゴルにも馬の乳を発酵させた馬乳酒があり、中東やアフリカでも発酵乳を引用する習慣が旧約聖書に記されています。


その中でヨーグルトが注目されたのは、ロシアの偉大な免疫学者でアンチエイジングの開祖でもあるイリヤ・メチニコフが、ブルガリアには100歳に近い長寿者が多いことを見出したことによります。


実際、ヨーグルトの中には腸の免疫細胞を活性化する作用を持っているものもあります。ただし、すべてのヨーグルトがそういう乳酸菌を含んでいるわけではありませんので、注意が必要です。


ともかく、ウイルス予防やがん予防のためにも、「1日1回は発酵食品」という意識を持ちましょう。


日本人なら、みそ汁に納豆、ぬか漬けを欠かさないようにしたいものです。チーズ、お酢、甘酒もいいですね。


食物繊維を摂っておなかの調子を整えよう

野菜を摂って免疫力アップ

次に必要なのは食物繊維です。おなかの調子を整える食品成分と認められおり、便秘の予防や整腸効果は有名ですね。


他にも血糖値の上昇を抑制や血液中のコレステロール濃度を下げる効果など様々な作用を持っています。


注意して欲しいのが、食物繊維は腸内細菌が好んで食べますが、たんに野菜を食べればいいというものではありません


腸内細菌のえさになりやすいのは、ゴボウやシイタケに麦ごはん、インゲン豆などです。麦ごはんは血糖値も上げにくいので、健康診断で糖尿病境界型と言われた人はぜひ麦をごはんに混ぜましょう。


亜鉛不足は免疫力・ホルモン力に悪影響

貝で亜鉛不足を改善して免疫力アップ

そして最後は貝類です。縄文時代の「貝塚」にあるように、日本人は貝を食べて世代をつないできました。貝類は特に免疫力とホルモン力に大事な亜鉛を供給してくれます。


昔は3食の中に貝のお吸い物やみそ汁がありました、今はめったに食べないのではないでしょうか。貝は漁獲量が減っており、手に入りにくいかもしれません。


しかし、いまや日本人の半分以上が亜鉛欠乏症と言われています。厚生労働省の2015年のデータですが、日本の食卓に亜鉛の吸収を阻害する加工食品が使われることが多くなり、全体的に亜鉛の摂取量が低下している。


特に若い女性が不足がちで、若い女性の1日の亜鉛摂取量は6.5mg程度。
成人の推薦摂取量「男性 10mg/日」、「女性 8mg/日(妊婦は+2~3mg)」と比べると不足がちです。


亜鉛はサプリメントや薬でも補充できます。亜鉛の耐容上限量は,成人で「男性 40~45mg/日」、「女性 35mg/日」です。亜鉛が不足ぎみと思ったら積極的に摂ろう。


もし、疲れやすい人は、一度かかりつけ医に調べてもらうといいでしょう。

ダンテスでは管理栄養士の浅野まみこさんが「免疫力高める中高年男性におすすめのコンビニ食と料理」も紹介してくれています。是非、”食”から免疫の改善に役立ててください。

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会理事、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。

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