コロナ鬱患者は「ビタミンD“欠乏症”」だった

2021/02/01 免疫力向上

男の底力上げる2021年2月1日

日本を代表するアンチエイジング・ドクターである満尾正医師(満尾クリニック院長)は、救急医学のサブスペシャリティとして栄養学を身に付けた。米ハーバード大学でも学んだ栄養学をいま、日本のメンズヘルスに役立てている。その柱となるのが「ビタミンD」だ。



現代人はビタミンD不足

2007年、権威ある医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に、1本の論文が載りました。著者は世界的栄養学者、マイケル・ホーリック医師で、タイトルは「現代人はビタミンD不足である」。ホーリック医師は、日光として浴びた紫外線が、皮膚でビタミンDに作り替えられることを発見した人物です。

この論文が発表される5年前の2002年、私は東京・広尾にクリニックを開業し、医薬品ではなく、栄養サプリメントによるアンチエイジングと予防医療をスタートさせていました。

秋に鬱病が増えるのは「日光」のせいだった

開業して2年後の2004年、私はアメリカの学会で、当時ボストン大学の教授を務めていたホーリック博士の講演を聞く機会を得ました。その時に受けた衝撃は、いまでも鮮明に覚えています。

その内容は、夏の終わりから秋にかけて“鬱病”の患者が増える背景に、浴びる日光の量が減少することが関係している―というものでした。

アメリカに限らず、日本でも秋は物思いにふける季節で、多かれ少なかれメランコリックな気分になるものです。しかし、そんな現象を「日光」「紫外線」という視点からホーリック医師は解き明かしたのです。

鬱病予防には日光(紫外線)、そしてビタミンD

なるほど、紫外線が皮膚でビタミンDに変わるなら、日を浴びる時間の短くなる秋はビタミンD不足になるでしょう。そして、ビタミンDの減少が鬱症状を引き起こすのであれば、秋に鬱病患者が増えるのも当然のことです。

しかも、その仕組みが分かってしまえば、鬱病の治療法や予防法もおのずと見えてきます。積極的に日光(紫外線)を浴びればいいわけです。皮膚への紫外線のダメージが気になるなら、サプリメントでビタミンDを摂取すればいいのです。

コロナ鬱患者はビタミンD欠乏症

実はこの事実は、現在のコロナ禍にもあてはまります。新型コロナウイルスの感染拡大で鬱病になったり鬱症状を引き起こす人が増えていることは皆さんもご存じの通りです。私のクリニックにもそんな患者さんがやってきます。

先日も体調不良を訴えて受診した30代の男性患者の血液を調べたところ、ビタミンDの濃度が極端に低い「欠乏症」の状態でした。

話を聞くと彼は新型コロナによる外出自粛要請で自宅を出る機会が極端に減ってしまい、紫外線に当たる時間も激減していました。


「日焼けした鬱病患者はいない」事実

日本では5月から6月にかけてが最も紫外線の多くなる季節です。そんな時期に家に閉じこもっていたのですから、ビタミンD欠乏症になるのも無理はありません。

「日焼けした鬱病患者などいない」。これは私が若い頃に先輩から教わったことですが、これも現在懸念される「コロナ鬱」の増加と同じように、ホーリック医師の理論できれいに説明がついてしまうのです。

世界中の医師を納得させた「ビタミンDを柱にした予防医療」はその後、世界中で広がりを見せていきます。新型コロナに怯える現代人は、いまこそこの重要な栄養素に目を向けるべきでしょう。

(構成・中井広二)

【満尾正医師】1982年、北海道大学医学部卒業。杏林大学救急医学講師、米ハーバード大学外科栄養代謝教室研究員、救急振興財団教授を経て、2002年、キレーション治療を中心とした抗加齢医療専門クリニック「満尾クリニック」を開業し院長。日本抗加齢医学会認定医。米国抗加齢医学会認定医。医学博士。最新刊に『医者が教える「最高の栄養」』(KADOKAWA刊)

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