免疫力を高め、男性ホルモンも上げる「笑う事」の重要性について【男の底力上げる免疫力・体力強化術Vol.3】

2020/05/28 免疫力向上
笑うことが免疫力を高める

新型コロナウイルスの影響で一躍注目されている「免疫力」。


前回「免疫力を上げるために生活習慣を見直そう【男の底力上げる免疫力・体力強化術Vol.2】」では免疫力アップの3つのポイント、

①笑うこと
②日に当たること
③いろいろなものを食べること

を紹介しました。


その中から今回は、「笑い」をまず取り上げましょう。


堀江重郎

今回も男性医療の第一人者である順天堂大学医学部教授・堀江重郎氏にその強化術を伝授してもらう。


「笑う」ことと「免疫力が高める」因果関係


昔はよく笑う若い女の子を「箸が転んでもおかしい世代」と言っていました。今でもYouTubeのお笑い動画を見て爆笑しているのはもっぱら10代、20代ではないでしょうか。


新型コロナウイルスでも10代、20代の感染者が少ないことが関心を集めていますが、確実に言えることは、「笑う」と免疫力がアップすることです。「笑い」が免疫力に関係することを見出したのは、アメリカの著名なジャーナリスト、ノーマン・カズンズです。

多忙な日々の中で突然、強直性脊椎炎という大変痛い膠原病になって入院していたカズンズは、コメディー映画を病院で上映したり、爆笑ジョーク本を読みふけって笑い転げているうちに、難治性の病気がすっかり治ってしまいました。


膠原病は、免疫のブレーキとアクセルが利かなくなってしまう状態なのですが、彼は著書『笑いと治癒力』の中で、当時話題となっていたビタミンと同様、「笑い」は感情のみならず、からだの体調も整えることを検証しました。


最近の研究では、「笑い」は自然免疫の要であるNK細胞の働きを強化すること、また強いストレスを感じると副腎から出るコーチゾールという神経を障害するホルモンの作用をブロックして、認知力を保つことが知られています。


さらに、笑うと酸素の取り込みが増し、臓器の機能が高まり、血圧が下がり、腹筋が収縮し、グレリンというホルモンが胃から分泌され食欲が増えてきます。


つまり、よく笑うことは、よく運動することと同じような作用があるのです。


患者さんの実体験から思う「笑う」ことの重要性


私が今でも覚えている一人の患者さんがいます。
まだ30代の若さでがんになり、手術後も腫瘍マーカーが高く、抗がん剤治療をされていた人です。


入院したことがある人はご存じでしょうが、病院という場所はなかなかリラックスできるわけではありません。


まして、抗がん剤治療を受けているときは、薬の副作用の辛さに加えて、果たして病気が治るかどうか大変不安です。


ところが、あるとき病室を回診していると「くくくっ」という笑いを押し殺したような声が聞こえました。そっとカーテン越しに彼のベッドをのぞくと、なんと映画のDVDを見て笑っていたのです。


その後も、いつ訪問しても彼は真剣に笑っていました。そして、治療が困難ながんだったにもかかわらず、結局完治してしまったのです。


それ以来、私は抗がん剤治療を受ける患者さんには必ず「真剣に笑ってください!」と申し上げています。


笑うことが免疫力を高めて、がんの治療効果が高まることを期待しているからです。


そして「笑い」は男の底力にとても重要な男性ホルモンも上げてくれます。男性ホルモンが高いほうがワクチンの効果が高いという研究もあります。


コロナウイルスも笑って笑って笑い飛ばしましょう!

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この記事の監修者

堀江 重郎

堀江 重郎

1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得。国立がんセンター中央病院、杏林大学講師を経て帝京大学医学部主任教授に就任し、日本初の男性更年期外来を開設。2012年に順天堂大学医学部教授に就任。日本抗加齢医学会 理事長、日本Men's Health医学会 理事長を務める。『ホルモン力が人生を変える』他著書多数。テレビ番組の出演、監修も多数。