自毛植毛後の喫煙と飲酒はヤバい…?定着率に与える影響について

2021/10/22 自毛植毛

自毛植毛後の喫煙と飲酒はヤバい…?定着率に与える影響について

自毛植毛の手術を受けた人の中には、術後いつもの習慣で喫煙したり、仕事の付き合いで飲酒する人もいるかもしれません。しかし、手術前後の喫煙や飲酒は、自毛植毛に影響を与えないのでしょうか?

今回の記事では、自毛植毛後の喫煙や飲酒による影響について解説します。

手術後の喫煙や飲酒はNG

一般に、自毛植毛後に限らず手術など外科的処置を受けるときはタバコやお酒は厳禁です。ここでは、手術でタバコやお酒が禁止されている理由についてみていきます。

手術で禁煙が必要な理由

外科手術で禁煙が勧められている理由には、以下のものがあります。

  • 手術後に血栓症や肺炎が起こりやすくなる。
  • タバコに含まれるニコチンにより傷跡が治りにくくなる。

自毛植毛の手術で関連があるのは後者です。自毛植毛ではドナーを採取したり移植する際に、傷跡ができます。

タバコのニコチンには交感神経を刺激して血管を収縮させる作用があります。喫煙によりニコチンが体に取り込まれることで血行が悪くなり、傷の修復に必要な十分な酸素や栄養素が行きわたりづらくなり、傷口の回復に影響を与える可能性があります。

手術で飲酒がダメな理由

手術でお酒を断つ必要があるのは、アルコールの摂取により血管が拡張して体が温かくなるためです。外科手術ではメスなどで皮膚や組織に傷をつけるので、手術後の傷口部位に炎症が起こります。

この時期に、体を温めすぎると、炎症が進んで出血しやすくなったり、痛みを強く感じたりすることがあります。特に、手術後3日間は炎症がピークとなるので、体を温める作用のある飲酒は厳禁です。同様の理由で、手術後は飲酒だけでなく、運動やサウナなどもすすめられていません。

自毛植毛を受ける予定のある人は、クリニックの指示に従って、喫煙と飲酒を控えるようにしましょう。

自毛植毛後のタバコが及ぼす影響

自毛植毛後のタバコが及ぼす影響

タバコに含まれるニコチンは、末梢神経に影響を及ぼして、移植毛の定着率が下がるといわれています。

アメリカの医師の中には、自毛植毛を受けるにあたって、禁煙を勧める医師も多くいるそうです。とはいえ、実際にタバコで植毛の定着率が下がるというエビデンスや報告があるわけではありません。

愛煙家は誰もが経験していることですが、強い意志があっても禁煙を成功させるのは簡単なことではありません。喫煙行動が脳のニコチン中毒で起こるためです。

ヘビースモーカーの中には、禁煙により強いストレスを感じる人もいて、そのストレスが施術中の出血リスクにつながることもあります。そのため、ドナー採取時の喫煙はOKとするなど柔軟な対応を取っている自毛植毛の医師もいます。

ただし、タバコそのものは、一時のリラックス効果はあっても、やはり健康によいものではありません。このことは髪の健康にも当てはまります。最近は医療機関でも禁煙治療を受けられるので、禁断症状を抑えながらタバコを断つことも可能です。

自毛植毛をきっかけに禁煙に取り組んでみるのもよいかもしれません。


自毛植毛後のお酒が及ぼす影響

AGAクリニックでは、自毛植毛の手術前後の数日間は禁酒を勧めています。

しかしながら、喫煙と同様に、飲酒による移植毛への影響に関するエビデンスや報告があるわけではありません。医師によっては、飲みすぎでなければ大丈夫と考える人もいます。

ただし、自毛植毛後に気を付けたいのが手術後4~5日の飲酒です。この時期は移植毛が定着する大切な時期。ちょっとのお酒の量であれば、移植毛の定着率には影響しないかもしれませんが、できれば飲酒は避けた方が無難でしょう。

自毛植毛の手術前後の飲酒については、施術を受けるクリニックの指示に従うのが賢明です。お酒をどうしてもやめられない人も、手術後4~5日だけはアルコール断ちを心がけましょう。

喫煙や飲酒をしてしまったら…?

自毛植毛を受けた人の中には、手術前後にうっかりタバコやお酒に手を出してしまった人もいるかもしれません。しかし、貴重な髪の毛を移植したのだから、1本たりとも無駄にしたくはないですよね。

自毛植毛前後の喫煙や飲酒により、「せっかく受けた施術が台無しになってしまうのではないか…」と不安を抱えてしまう人もいるかもしれません。前述したように、AGAクリニックでは手術前後の禁煙や禁酒をすすめてはいますが、タバコやお酒によって定着率がかなり下がったという事例は聞かれません。

むしろ、タバコを吸ったりお酒を飲んだりした後悔で、強いストレスを受けることの方が問題です。大きなストレスにより髪が抜けたり、白髪になったりなど、ストレスは髪の健康と関係があります。ストレスにより体の緊張状態が続くので、頭皮の血行にも影響を与えるためです。

自毛植毛後にうっかり喫煙や飲酒をしてしまったとしても、自分を責め過ぎないことが大切です。髪のためにも過ぎたことは深く悩みすぎずに、前向きに気持ちを切り替えていきましょう。

自毛植毛後の生活習慣で大切なこと

自毛植毛の手術後は、一定期間、禁煙や禁酒がすすめられていますが、何より大切となるのが日々の生活習慣です。自毛植毛を成功させるには、毎日、規則正しい生活を送ること重要です。

自毛植毛の傷跡の修復や、移植毛がきちんと定着するために、十分な睡眠を取り、良質なタンパク質を取ることを心がけましょう。自毛植毛後に禁煙や禁酒を守れていても、生活が不規則で睡眠時間が不十分だったり、食事のバランスが偏りすぎていたりすれば、元も子もありません。

移植毛の定着率をアップするためにも、タバコやお酒に気をつけるだけでなく、ベースとなる生活をしっかりと過ごすようにしてください。

まとめ

多くのクリニックでは、自毛植毛後の喫煙や飲酒を勧めていません。一方で、タバコやお酒による移植毛の定着率に関するエビデンスは十分にはないため、うっかり喫煙や飲酒をしたとしても、気にしすぎないことが大切です。

自毛植毛を成功させるには禁煙や禁酒を守ることも大切ですが、ベースとなる生活を規則正しく過ごすことも重要です。自毛植毛を受けるときは、クリニックの指示に従って手術前後の生活に気を配りましょう。

  • 参考文献
    ・ヨコ美クリニック https://www.yokobikai.or.jp/index.html
    ・石川県立中央病院 https://kenchu.ipch.jp/department/docs/annai-10-kinen.pdf
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